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転生特典をもらっても全て得になるとは限らない
機動戦士ガンダムSEED編
番外編 第3話 
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ていく。その点で言えば今回お前らが追撃を仕掛けたのは下策中の下策でしかない」
「! お前はァ!!!」

 悠凪の物言いに怒りが頂点に達したカガリは悠凪を殴りつけようとするがそれは最後まで実行されなかった。
 悠凪はその突き出してきた拳を難なく掴んで後ろ向きに腕を捻る事で動きを封じた。

「くっ…!」
「お前達は今回の件で敵に何の被害も与えられていない。それどころか自分達の方が被害を被っている。オレからしてみれば、お前達は本気で勝つ気があるのか疑わしい位なんだが」
「……ふざけるなよテメェ!黙って聞いてりゃ好き勝手言いやがって!!」

 悠凪はカガリの暴行を何事もなかったかのようにスルーし、話を続けていくが、明けの砂漠のメンバーの一人が今の一言で我慢できなくなり口を開いた。それに呼応し、他の明けの砂漠の面々も次々と悠凪に罵声を浴びせていく。

「俺達は本気でやってんだ。なのになんだテメェは!俺達の事、少しも知らないくせして横から色々ぬかしやがって!!」
「大体なぁ。俺達は虎の下につく位なら戦って死んだ方が良いんだよ!」
「オイ、お前達やめないか!」

 明けの砂漠のリーダーであるサイーブが止めに入るが罵声は止むどころかエスカレートしていき今にも悠凪に襲いかかりそうな程になってしまっていた。カガリはその光景を見てやはりこいつの言っている事は正しくなんてない。現にこいつは何も言えずに固まっていると思っていた。だがその彼に対しての認識は間違いだった。
 確かにそんな彼等を悠凪は黙って見つめていたが、彼は何も言えないのではなく言わなかっただけだった。少しした後悠凪は

「プッ。…………ふっ、ハハハハハ!!」

堪えきれなくなったのかカガリを拘束していた手も離して腹を抱えながら笑い出した。
 放り出されたカガリはバランスを崩し転倒しそうになるが、なんとか体勢を立て直し悠凪へと振り返って突然の行動の意味を問いただす。

「な、何がおかしいんだ!」

 その問いかけに一通り笑い終わった後で悠凪は答えだした。しかしその目は異様に冷めたものに変わっていた。殆どの者は気付かなかったがそれは対象に失望した時に向ける類のものであった。

「なに、お前らがオレが思っていたよりもどうしようもない奴らだと解ってそれがあまりにもおかしくてな。つい笑ってしまったよ」
「何だと!!」
「じゃあ問おうか。お前達は今回の行動に何も恥じるところはないと堂々と宣言できるか?」
「ふざけるな!そもそも発端はヤツらが卑怯にもタッシルを焼き払った事だ。私達に何も恥じるものなんてない!」

 カガリは悠凪の問いへ堂々と答える。本心で言っているのと同時に自分達に対して失望の目を向けてくる悠凪に腹が立ったというのもこの時彼女をこうした行動に駆り立てた
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