機動戦士ガンダムSEED編
番外編 第3話
[1/5]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「ほら、次行くぞ次」
「あぁ、うん」
ザフトに占拠されている町の一つであるパナディーヤ。町は様々な人達が行き交い、とても占領されている土地とは思えないほどに賑わっていた。ここにキラとカガリの二人は備品の調達の為にやって来ていた。とはいっても本来の目的は明けの砂漠のリーダーのサイーブ・アシュマンの昔の伝手を頼っての武器、食糧などの調達が主な目的で、そちらはサイーブ他明けの砂漠のメンバー数人とアークエンジェルからはナタルを初め数人の乗組員が向かっている。二人はその間アークエンジェルと明けの砂漠へのお土産の品を購入している。ちなみに支払いはカガリで、買った物は全てキラが運んでいる状況だ。
「…お前ってMSに乗ってる時はあんなに凄い割には、こういう時はどこか頼りないな」
「って、いきなり酷い事言うね君は…」
「一応護衛だってのに、こうも頼りなさげじゃ不安にもなってくるだろ」
キラはカガリのその物言いに怒る事はできず苦笑いを浮かべるしかなかった。
それは、カガリの護衛役に選ばれこうして付いてきたものの専門的な訓練など一切受けた事がない為、実際に問題が起こった時ちゃんと対処できるのかという一抹の不安がキラにあったせいである。本来の歴史の流れならばこの時の彼にはこんな事を思う余裕はなかったのだが、この世界では悠凪・グライフを名乗る一人の青年の介入により彼を精神を追い詰めていく出来事は踏みにじられていった為こうした事を思える程にキラの精神状態は良好になっているのである。
そんなキラの様子を見てカガリは歩くを止め溜め息をつきながらキラの方へ方向転換して一気に捲くし立て始めた。
「…お前なぁ、こんな時は自信を持って護衛役を果たしてみせる位の事は言えよな! ここは敵のド真ん中だっていうのにそんなだからこっちが不安になってくるんだよ」
「そう言われても僕は生身での訓練なんて受けてないから、多分危なくなった時は君の方が頼りになると思うよ…?」
「…アークエンジェルの奴ら、なんだって護衛にこいつを寄越したんだ?」
これには本当にキラは何も言う事はできない。彼自身も自分が選ばれた理由に検討がつかないからだ。キラが選ばれた理由が実は期間的には短かったものの彼が出撃できない程精神的に追い込まれた状況に陥った事件があったので、また同じ事が起こらぬよう艦長達が息抜きをさせる為だとは本人は思いもしないだろう。
このようにキラはこの事を全く知らない。そのせいで彼はまたカガリの機嫌が悪くなる地雷を押す発言をしてしまった。
「護衛役ならムウさんや悠凪さん達の方が向いてるとは思うんだけどね」
「! ………」
カガリはキラのその発言を聞いた途端に表情を曇らせ、黙り込んでしまった。
キラはいきなり機嫌を悪くしたカガリに何か余計な事を
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ