暁 〜小説投稿サイト〜
DIGIMONSTORY CYBERSLEUTH 〜我が身は誰かの為に〜
Chapter1「暮海探偵事務所へようこそ」
Story6:浮き上がる謎 潜入、セントラル病院!
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「暮海さん、俺邪魔そうなんで外で―――」
「いや、キミも聞いてくれ。実はこの子、EDENに絡む“特殊な”関係者なんです。それに、ある種の“専門家(スペシャリスト)”に成り得る素質があります。話を聞かせておくべきでしょう」
「…そうか。キョウちゃんのお墨付きなら、問題ない」
あれ、俺も聞くの? っていうか、“特殊な”関係者…? 俺の身体のことを言っているのだろうか。
確かにこれは、EDENであの化け物に襲われたからって原因があるのだが…
というか、又吉刑事もすんなり信じてくれたな。それだけ暮海さんを信頼している証拠なんだろうな。
「話ってのは、EDEN症候群患者を隔離している、例の『特別病棟』の噂だよ」
「あ、あの…『EDEN症候群』って…?」
「なんだ、“未来の専門家”さんは知らないのかい? EDENの利用中のユーザーが突然意識不明になり、そのまま目覚めなくなる奇病だ。年々患者数は増えているが、原因、治療法、症状……未だ、多くが謎に包まれている。
『セントラル病院』いは、EDEN症候群患者の専門病棟―――『特別病棟』があって、そこでは研究及び回復処置を行っている。…が、妙に情報統制が厳しくてな。
患者の家族も立ち入れない、秘密の隔離施設があるとか……カミシロのイメージダウンになるのを恐れて、事実を隠蔽(いんぺい)しているんじゃないか…なんて噂もある」
確かに…何人もの人々が、EDENを利用することで倒れていくって事実は、これからEDENを利用しようとする人に悪い印象を与えてしまう。それを隠そうとするのは、納得がいく。
しかし、何故患者の家族も立ち入れない場所まであるんだ? それじゃあ逆に疑われかねない。
「今回の件も、噂の域を出ない類ではあるんだが……近く、セントラル病院の“背後”が、動き出しそうなんだ」
「“背後”、ですか…?」
「―――『カミシロ・エンタープライズ』ですね」
「ッ! カミシロって、EDENを運営している…!?」
「あぁ、セントラル病院はそのカミシロの息がかかっているんだ。発症患者の増加、症状の重篤化傾向……それが明らかになりつつある今、カミシロが黙っている筈がない。件の病院で、人の出入りが激しくなっている…特別病棟のセキュリティも、強化されるらしい。
……これは何かある」
「ようやく、ですね」
「あぁ、やっとだ」
二人はそう言い合うと、さらに難しい顔を浮かべお互いを見つめ合う。
……なんだろう、「やっと」って。何か二人には…因縁深い話なんだろうか?
「ふふ…やはり、珈琲を淹れてきますよ。景気よく乾杯といきましょう」
すると暮海さんが一転笑みを浮かべ、コーヒーの提案を
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