暁 〜小説投稿サイト〜
DIGIMONSTORY CYBERSLEUTH 〜我が身は誰かの為に〜
Chapter1「暮海探偵事務所へようこそ」
Story6:浮き上がる謎 潜入、セントラル病院!
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」
暮海探偵事務所へと戻った俺達。まずは得られたデータを渡し、そこで得られた情報を口頭で説明した。
なんといっても驚いたのは、自分の身体がEDEN症候群患者として隔離されていたことだ。
「自分の身体を外から見る衝撃の大きさは、想像に難くない。体外離脱現象の一種と考えれば、解決法もありそうだが…。キミは、EDEN症候群の未知なる症状の被害者―――イレギュラーな被害者なのだろう。それがわかっただけでも…成果はまずまず、としておこう」
「まぁ必要な情報(データ)も、集められましたしね」
「しかし調査は焦ってはいけない、慌ててもいけない…急ぎ過ぎても、急がせ過ぎてもいけない。
“ただひたすらに、粘り強く―――徹頭徹尾、鉄(くろがね)の如き忍耐力で当たれ”……父の言葉だ」
徹頭徹尾、鉄の如き忍耐力で当たれ、か……だから天井近くに、『徹頭徹尾』と書かれたものが飾られているのか。暮海さんの父…どんな人なのだろう。
「さて、本題だが…キミは、これからどうするつもりかな?」
「どうする、って…?」
「なんだ、珍しく察しが悪いな。その体のまま、一生過ごすつもりか?」
「あっ…!」
ようやく、言いたい事がわかったか。
そう言いたげな表情をして、暮海さんは続ける。
「元の身体に戻りたくはないか? キミの身に何が起きたのか、真相を知りたくはないか?」
「……………」
真相…俺がこんな身体になった理由、EDEN症候群とカミシロ、そして―――あの黒い怪物。
全てが一つのまとまった事件の、ほんの序章(プロローグ)だとすれば……もしかしたら、もっと大きな被害が出るかもしれない。
俺がその真相とやらに近づいていけば、その被害を減らせるかもしれない。被害に遭う誰かを、助けられるかもしれない。
そんな想像ができれば、後はもう……答えは決まっている。
「―――知りたいです。俺が絡んだこの事件の真相、俺は最後まできっちり関わって、その真相とやらを知りたいです!」
高らかに、拳を握ってそう言った。
対し暮海さんは、当然と言った表情で頷いた。
「ふっ、では決まりだな。私の“助手”として、ここで働きたまえ」
「“助手”…ですか!?」
「あぁ。依頼には、EDENや電脳犯罪に関連した事件も多い。仕事をこなしていくうちに、手がかりも掴めるだろう」
「で、でもいきなり助手だなんて……」
「安心しなさい、キミの素質は私が保証する。ついでに当面の衣食住も、ね…ふふ」
な、なんか楽しそうだな、暮海さん。助手欲しかったのかな?
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