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DIGIMONSTORY CYBERSLEUTH 〜我が身は誰かの為に〜
Chapter1「暮海探偵事務所へようこそ」
Story6:浮き上がる謎 潜入、セントラル病院!
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音ひとつ聞こえなかったな。
「それで、いつからそこに? どこまで話を聞きました?」
「今来たところだが、何かマズい―――」
その時ようやく俺に気づいたのか、俺のことを一瞥すると申し訳なさそうに頭を掻き始めた。
「あぁ、先客がいたのか、すまんすまん。依頼話の最中だったのかな?」
「いえ、この子は……依頼人ではありますが、少し毛色の異なる存在でして」
「…ほう? では何者だい?」
「え、え〜っと……」
暮海さんの言葉に、中年男性は疑り深い目で俺の事を見てきた。
こ、これどう答えるべきなんだろうか。なんか暮海さんも俺を試すかのような目をして、俺のことを見てきているんだが。しかも笑みを浮かべてるんだが……
と、とりあえず……
「ひ、秘密です。今はまだ何者でもない、とでも言いますか、なんというか…」
「………」
……な、なんか変な目で見られてる…そんな変な答え方したかな?
「ふふ…紹介しておこう。こちらは、『又吉』刑事。父の代からの付き合いでね…旧知の仲だ、信頼もしている。電脳犯罪を専門に追う、本庁付きのエリート部署の刑事だよ」
「っ、それって…結構話題の部署ですよね? この人がそこの…」
「見かけによらず、と思っただろう?」
「あ、いえ…そんなことは…」
「ま、実際のところ見かけ通りのはみ出しものさ。でなきゃ探偵ってな、胡散臭い連中とつるんだりしないさ。…おっと、失言失言! はっはっは!」
厳格そうな人だったから、捜査一課とかの刑事かと思ったんだけど、ほんとに見かけによらずだな。なんでそんな部署に配属されたんだろう?
「それで、何か事件ですか? 依頼でしたら、どうぞソファに掛けてお待ちを。今美味しい“珈琲”を淹れて―――」
「いや、いい! 今日は依頼じゃない! コーヒーはいいよ!」
しかしそんな又吉刑事は、暮海さんの提案を即却下し慌てて話を進めようとした。なんか若干青ざめたように見えたのは、気のせいだったかな?
「…『EDEN症候群』の件で、少し気になる噂を耳にしてね。キョウちゃんも興味があるんじゃないかな?」
「…聞かせていただきましょうか」
だがそんな和やかな雰囲気も束の間、少しピリピリした空気に一変した。
暮海さんも又吉刑事の言葉を聞いて、早速依頼人用のソファに座らせ、自分はその向かい側のソファへと腰かけた。
「………」
「………?」
「………ンン、ン……オッホン!」
ソファに座った又吉刑事だったが、俺を数秒見つめると、何故かわざとらしくせき込んで、何か俺に伝えようとしていた。
……あ、そうか。俺邪魔かな?
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