第3章 リーザス陥落
第45話 カスタム防衛戦
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あの衝撃のせいか、意識が少し朦朧としてしまっているようだ。
だからこそ、この男は 今の現状が判っていない。
目の前の男1人に、何人モノ兵を屠られたと言う事実が判ってなかったのだ。無残に倒れている仲間達も全く目に入ってなかった。ただただ、怒りだけしか無かった。
「この野郎が! これは戦争だぁ! 殺そうが、犯そうが、勝者が敗者に何したって許されるんだよ! どんな手を使ったかしらねえが、次はねえぞ! このガキが! 助けたつもりだろうが、あの女も、次はぶっ殺して、死体を犯してやる!!」
ユーリの顔を見ながらそう叫びを入れる男。
その言葉は、比較的周りに響いた様だ。到底許せる様な台詞じゃない。だけど、それ以上にこの男は地雷を踏んでしまっていた事に気づいた。
つまり、ユーリのことを知っている面々は、この時ばかりは、少なからず男に同情をしてしまったようだ。
「………」
ユーリは、志津香を殺そうとした事実+さっき言われた暴言が合わさり、怒りのボルテージが振り切りそうになってしまう。
その怒りは、剣に宿す……つまり、頭は比較的冷静に、そしてそれ以外の殺気は武器に全てを込めた。
「煉獄……」
剣の柄を握り締める。手から迸るオーラは、剣の切っ先まで伸び、その刀身を暗黒に染めた。
「ん!! なっ……!?」
目の前の男の姿が変わった。
まるで悪鬼になったかの様な気配を感じたのだ。同じ人間に思えない気配。その驚異は、直ぐに来た。
「滅!」
男がそう叫んだ瞬間だった。
「…………ぁ!!」
何をされたのかすら判らない。
少し離れた位置にいた男が一瞬で眼前に迫った瞬間。持っていた剣が増えた感覚があった。増えた……と言うより、目の前に突然壁が現れたのだ。そして、意識は完全に絶たれてしまった。
「……貴様は、地獄に落ちろ」
ユーリは、剣を振るい、僅かに着いた血を飛ばした。突きの壁の正体は《煉獄・滅》。それは男の全てを奪っていた。
剣に付いているのはわずかな血痕の為、鮮血さえも奪い去ったようだ。相手の身体は無くなっている。厳密には、超高速の突きの乱れ打ちだった。それが男の身体を比較的細かくミンチにしたのだ。それは纏っていた鎧すらも塵と化し、戦塵に煽られ空に舞っていったのだった。
それを目の当たりにしたヘルマン軍は、最早戦意を喪失してしまい、武器をかなぐり捨て、敗走をした。今戦っている相手は人間ではない。と思ったからだ。
「がははは! オレ様の勝利〜! 敵は尻尾を巻いて逃げていくぞ? がははは!」
ランスも剣をぶんっと振るい、血を飛ばしていた。
活躍少ない……と思うかもしれないが、ここ一番
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