暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第45話 カスタム防衛戦
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れてしまうと思ったあの時。彼女も生きた心地がしなかったんだ。目の前で……仲間が、苦楽を共にした親友が死んでしまう光景など、悪夢以外の何でもないのだから。だからこそ……、助けてくれた事が嬉しかったのだ。
 そして、ランにとっても憧れの人だから。

「ランさ〜〜んっ! こっちのヘルマン兵達が突然減ったですかねー! 大丈夫ですかぁー!? ああっ!!」
 
 少し遅れてトマトが駆け足でこちらへとやってきた。
 ユーリ、そして、ランス達の参戦により、分散している余裕が無くなってしまったようなのだ。そして、トマトの目にも彼の姿が映った。
 あの凶悪なヘルマン軍の巨体。それを物ともせずに、無双している彼の姿を。

「ユーリさんじゃないですかー!! 来てくれたんですかねー! これは、トマトの願いが天に届いたですかねー!! 間違いないですかねー!!」

 トマトは何故か、天に向かって拳を突き上げていた。

 つまり、この戦いの最中、彼の事を想っていたのは決して1人だけじゃないという事だ。

「皆さん、大丈夫ですか?? いたいのいたいの、とんでけー!」

 シィルが少し遅れて合流し、傷ついているラン達にヒーリングを施した。シィルの顔を見た皆は安堵の表情を作る。

「あ、ありがとう。シィルちゃん」
「おお、ユーリさんだけでなく、シィルさんまで 来てくれたですかー! これはもう絶対勝てるですかねー! トマト、まだまだ、頑張るですよー!」
「あ、はい! ランス様も一緒です。後はリーザスのかなみさん」

 シィルは指を指してそう答えた。

 その先には、ランス、そしてかなみも戦っていたのだ。

 勿論、ランス、シィルは知っているのだけど、もう1人の女の子は知らない。


「むむむっ!……ランスさんは兎も角、あの人はトマト、知らないですかねー。……ライバル出現の予感、びんびんですかねー!」
「馬鹿な事言わないで! 私たちも早く援護するわよ!! 敵の数はまだまだ多いんだからっ!」

 志津香は、いつもの調子を戻し、魔法の詠唱に入った。

「真知子さんやロゼさんと付き合っている間に、このスキルに目覚めました〜! これで、トマトも一気に有利に!」
「はいはい! 判ったから、手を動かす!」
「行きます!!」

 志津香は、火爆破を主に使用し、周囲の敵を一掃。

 そして、怯んだ相手を、更に気合の入ったトマトとラン達部隊の剣撃で仕留めていった。



 次々とヘルマン軍をなぎ払って言った後。ユーリはある男を前に、脚を止めた。

「……お前が、志津香を襲った。手に掛けようとした奴……だな」

 睨みつけるユーリ。その前にいるのは最初にユーリが吹き飛ばした相手だ。

「ぐっ……、て、てめぇ……」


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