第3章 リーザス陥落
第45話 カスタム防衛戦
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えません! これまでの歴史上、ここまで侵攻出来た事など……貴方が、パットン皇帝が歴史を作るのです!」
「パットン皇帝!万歳!!」
一斉に手が上がる部下たち。
彼らはパットンの側近で守護する部隊であり、勝ち馬にはとことんまでのる。
つまりは おべっかだ。今後も恩恵をあやかれる様にと。パットン自体は、継承者とも言われていた立場もあり、慣れてはいたのだが ヘルマン国内での扱いは、日に日に増して悪くなり、居心地も悪くなっていた事を考えれば、悪くない雰囲気であり、気分も悪くない。
「……ふん。もっと格好良い皇子だったら良いのにさ」
背後にいた2人の内の1人がそう呟く。
パットン周囲の連中の声が大きかったからか、それがパットンに伝わることも無かった。
「サテラ……」
「判ってる」
そう、2人の内の1人はサテラ。そして、サテラを黙らせたのが、先ほどここへとやって来たノスである。
「ノス。私たちが人間界を全て支配した時には、お前たち魔人と共存出来る素晴らしい世界が築かれているであろう」
「…………」
「(なんで、こんな弱っちい人間と共存なんか……、でも ホーネットの為だから、ここは堪えて……)」
サテラがこのパットンの言葉で何も反論しなかったのは奇跡に近いと言えるだろう。ノスは、ただ沈黙を貫いていた。
「その時は、ノス。お前が魔人達の指導者である魔王になっているかな?」
「っ……なんで、nぐむっ」
サテラは今回ばかりは言い返そうとした。自分たちの主はホーネットだと言おうとしたのだが、それに気づいたノスは素早くサテラの口を塞いだ。
「ふん。それに、私が何も知らんとでも思っているのか? お前たちがリア王女から聞き出そうとしている物……、それは、魔人の世界を支配するのに必要な物なのだろう」
「……御意」
「ふがっ! ふががっ!!」
パットンは、その反応を見ただけで良かった。ノスは表情が見えにくく、読みにくいが サテラは判りやすいから。
「はっはっは……、好きにするが良い。私は、それがなんなのかすら今は興味は無い。……ただし私に歯向かうな」
「………」
「(人間のくせに……人間のくせに……!)」
パットンは、目つきを鋭くさせていた。ノスからはっきりと、答えが返って来た訳ではない。
相手は、圧倒的力を持つ魔人だ。
普通であれば、人間の身で抗う事など不可能。だが、ここまで啖呵を切ると言う事は必ず何かを持っているのだろう。
「パットン皇子!」
その時だった。
このリーザスの玉座の間、ヘルマン軍司令部内に突如 兵が駆け込んできたのだ。
「なんだ? 騒々しい……。そうか、カスタムの町を降伏させたのだな?作戦内容は聞いている。
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