第3章 リーザス陥落
第45話 カスタム防衛戦
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ではユーリ程とは行かないが、それ以外とは比べ物にならないくらいのヘルマン兵達を屠っていたのだ。つまり、ランスは怒るだろうが、活躍ランクNo.2はしているという事。
「ふぅ……、ユーリさん? お、終わりましたよ」
かなみは恐る恐ると言った感じでユーリに声をかけた。あれだけ怒ってしまっていたから……少し萎縮したようだ。
「……ああ。大丈夫だ。かなみもフォローありがとな?」
「いえ、私も役にたたないといけませんから!」
もう、いつものユーリに戻ってくれていた。
恐ろしいと思ったけれど、その怒りが誰かの為に生まれているんだから、決してユーリから距離を取ったりは かなみはしない。
それは、この町の住人も同じだった。
「久しぶり、ね。……ゆーっ……ユーリ」
「……志津香」
ユーリは、志津香の顔を落ち着いて見た。どうやら、怪我らしい怪我はないようだ。シィルや、トマトの回復薬のおかげでもあるだろう。そんな志津香を見て、ユーリは心底安堵したようだ。
「良かった……」
彼女を見て、そう言っていた。
「っ……。う、うん。一先ず礼は言っとくわ。ありがとう」
「ああ、カスタムの皆も無事で良かった」
ユーリの表情は、完全に綻んだ。先ほどの殺意などは全て霧散。いや ヘルマン軍達に与え切ったのだろう。
志津香の後も他の皆の方を見て 笑っていた。カスタムのことが本当に心配だったのだ。その中でもユーリにとっては志津香の存在が大きくウエイトを占めていたようだ。そして、志津香もユーリを見る目はとても穏やかな物に変わっていた。
「うぅ〜……、やっぱし、最大最強のライバルは志津香さんですかねー。……でも、諦めないですかねー!」
トマトは、2人のやり取りを見ていて、触発された様に、『うおおおおっ!』と声を上げていた。勝鬨? と 傍から見れば思うだろう。
「志津香……ずるい……私だって一緒にお話したいこといっぱいあるのに……」
ランも何処か哀愁を漂わせている。
だけど、あの間に入る事は出来そうにないのだから。
こんな状況だというのに、乙女の熾烈な駆け引きが続いているのだ。当然だが、かなみもその機微は理解できており……。と言うか、ユーリを見る目が他の人と違うのは明らかだから嫌でも判るのだ。
「あぁ……やっぱりヒトミちゃんの言うとおりだ……」
ユーリの家に泊まった時にヒトミが言っていた『他にもいっぱいいると思うんだ』と言う言葉を思い出していた。
〜ユーリ宅〜
「くしゅんっ……! んん??」
ヒトミは突如くしゃみをしてしまった事から、誰かが噂したのでは?と察した。
「ああ〜……ひょっとしたら、お兄ちゃんにまた女の人が…
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