偽りある “衝動” の大火
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け、青色の軌跡と残像が織りなすテイルブルーの連撃を確実に避け、そして隙あらば下から熱気を内包する蹴撃が迫りくる。
「ぐっ……おりゃあっ!」
「Huh……」
「こんのおおっ!」
血気盛んに攻め掛かり、格上相手に近距離で渡り合おうとせん気概を見せ、それでもテイルブルーとウージの実力の差は埋まらない。
右への突き、左への軽い払い、それを利用して更なる二連続の刺突。
そこから踏み込んで拳を打ち込み、槍で大きく払って回し蹴り。
攻撃させぬ為に例え拙くとも連続技を途切れさせないテイルブルー。だが、ウージは左腕で一旦弾き、右腕を振るって叩き落とそうとし、させるものかと槍が掲げられた……その瞬間に腕を肥大化させた。
「……」
「あ、ぐ―――うあああっ!?」
ギリギリ槍で防ぐ事が出来たお陰で怪我は軽いが、ウージに対して大きく距離が出来た。
だと言うのに、到底指すら届きそうもないそこすら、己の射程範囲だと言わんばかりに、彼は右拳を振りかぶる。
“まさか………!?” ―――と、テイルブルーの脳裏に嫌なモノが走る。
「《伸焔拳》……!」
「うそぉ……っ!?」
そのまさかだった。
進むにつれて段々段々と細くなるが、確実にテイルブルーの方へと火炎の拳が『伸びて』きたのだ。速度もそれなりでテイルレッドの援護は間に合わない。
テイルブルーは歯を食いしばり槍へとより力を込めて、技も減ったくれもなく腕力任せに槍で薙ぐ。
ガーネット色と青色の火花が飛び散り、重い衝撃がテイルブルーの腕へと一気に伝わってくる。落としそうになるのを懸命に堪えて、彼女は眼前の敵へと再度突撃した。
「やあああああっ!!」
「……」
「はああああっ!!」
「……」
ブルーのウェイブランスが当たるか当たらないか―――微妙な間を縫ってテイルレッドも突貫、タイミングをずらしてブレイザーブレイドを打ち込んだ。
それすらも両腕で受け止められるが、誤差が生じたからか若干ながらの怯みが生じる。
……彼女等が待っていたのは、正にその僅かな流れの撓みだった。
「「イエローッ!!」」
「ええ、了解しましたわ!」
「……!」
聞こえる筈の無い “彼女” の声、その言葉と同時に電撃を迸らせし弾丸が、雨霰の如くウージの身体へ降り注ぐ。
何とか健在である鉄骨の上……砲撃の主はそこに居た。
新たに加わった戦士、テイルイエローが。
「はあっ!」
更に連続で『ヴォルティックブラスター』の引き金を引き、ウージを力技で後退させて、テイルイエローはレッドとブルーへ声をかける。
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