偽りある “衝動” の大火
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大きく変わったのは、元々廃工場があった場所周辺に限られるが、それでも目まぐるしいという言葉でも足りない、目を疑う様な変化には違いない。
「V?j?, es v?j?……」
「うわ、っわわ、わああっ!?」
「ちょ、危なっ……! うくっ!」
何処となく冷めた声色と、只管に慌てる高い声音。
ただ火焔の腕を振るい叩きつけているだけなのに、テイルレッドとテイルブルーにとってはその一撃一撃が、途轍もなく重い物に感じられる。
「《火猿腕》―――Vai AAK……!」
「「わああああっ!?」」
その攻撃は質量を持った火災の如し。見る間に雑草を焼き払うと極太の火柱が上がり、新たな黒いクレーターが穿たれた。
今放たれた一際大きな焔の腕は勿論の事、通常の攻撃でもテイルレッドの必殺技である『グランドブレイザー』に一歩劣るだけで、十二分に殺傷力を秘めた強力な攻撃だ。
もっと言うならただの攻撃が必殺技級と言う、とんでもない事実が目の前にて実際に繰り広げられている訳だが……。
「トゥアール! ワープは!?」
『駄目です! あのウージとかいうエレメリアンが吸い取っているのか、まったく機能しません!』
「ああもう! 少しぐらい妥協しなさいよ! 腹八分目とか無いのアイツ!!」
「ooo……!」
「ってまた来たあ!?」
今までの戦闘では通信の際幾ら隙が出来ようと、アルティメギルの者達が律儀に待っていてくれた事が災いし、巨体からは想像できないスピードで煌々と燃える大火の両掌が迫りくる。
「くぅっ!」
「はっ!」
体操選手の如く回転し身を翻して避ける二人だが……
「salds……《掌炎襲》」
「がっ!」
「きゃっ!?」
直前で輪郭が揺らいで、『巨大な炎の手』が炎腕の前に現れた事により、自発的な回転を攻撃で加速させられる羽目になる。
要らない火傷と打撲のオマケつきだ。
それでもダメージを我慢して何とか着地して見れば……又も振り下ろされた、爆炎の剛腕が眼前にあらわれる。
「あ、あ」
「……Flightless……《火猿腕》」
「うあああああっ!?」
「レッド!」
余りに鮮やかなガーネットの光を迸らせ、テイルレッドは爆破され砕け飛ぶ地面と共に、無残にも空中へと打ち上げられた。
追撃をさせてなるものかとテイルブルーは懐へ突貫、ウェイブランスを深く握り込むと、覚えたての槍術を精一杯駆使して刺突を次々入れいていく。
「はあッ! やっ! であっ!」
「……」
如何言った芸当なのかサイズの縮んだ炎の腕を穂先にぶつ
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