偽りある “衝動” の大火
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名のある由緒正しき古代神殿の、鉄造りにも似た質感たる巨大な柱が。
即ちこれから起こす動作は……ただ一つ。
「《ブレーク=……!!〕」
「くっ……《風砲―――」
『ストップだ相棒! 横に向ケロ!』
「!」
ラースからの唐突な発射停止が投げかけられた……相手の剛撃が発射されたのは、正にそれと同時のタイミングだった。
「《トレイン・キャノン》!!」
『よし、威力を押さえて発射ダァ!!』
「え……う、ああっ!!」
言われるがままに発動させた事で体は横に移動するが、向こうは既に小さい二つ目を用意している。これでは避けた意味など無いのではないか。
そう思いはじめる前に、ラースが次の言葉を紡いだ。
『左手で掴メ! 風を込めて思いっきリダ!』
「わかった……っ!」
視線だけは敵から外してなるものかと向けたまま、通り過ぎかける『ブレーク=トレイン・キャノン』を勢いに負けぬようにと必死に掴んだ。
「くうぅっ……うらあああぁぁ!!」
そこからは説明されなくとも理解しているのか、風による一時的な減速から、一気に加速させて大きな推進力を得、二発目めがけてぶん投げる。
果たして…………先の打ち合いの如く轟音を上げ、追撃の二射目が粉々になった。そのまま自分が放った一撃が己が腹に命中しソレは砕かれるも、更なる傷を負わせて “腕” のエレメリアンは吹き飛ばされる。
「〔ジョオオブゴハアアアオッ!?〕」
「今っ……ハアアアアッ!!」
左腕による前進と、体を捻る事による回転で、ジャイロボールの様にグラトニーは突貫。
ボシュッ……! と空気が抜けたような音が聞こえたかと思うと、彼女のすぐ目の前に内部で激しく渦を巻く『紫色の球体』が出現する。
回転の勢いそのままに足を一回振り抜けば―――――突撃時の猛回転の際に吸い込んだ空気と、今招き入れた高エネルギーが混ざりあい、右足が途轍もない力の奔流を宿していた。
「く、あああああぁぁぁ!」
此方の起こす行動も、また決まっている。
……猛烈な音を立てて振動する右脚にエレメーラと空気が集まり、血管が浮き出る程に筋力が高められた、そこから数秒と経たず殺意迸る目を向ける。
「《風刃松濤》オオオォォッ!!」
蹴りだけでも大気を切り裂かんばかりである、その一撃にて振り放たれし巨大なカマイタチは、 “腕” のエレメリアンの胸部を深く、ただ……より深く抉り斬り、
「〔ガブフウッ!!〕」
―――より一層高々に上がる異色の飛沫をまき散らし、見事なまでに体を真
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