偽りある “衝動” の大火
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れる。
このままではウージの手痛い反撃をくらってしまうが……しかし、彼女等の顔には笑みがあった。
その笑みを齎すモノが、今発動する。
『今です! 拘束します! 精一杯キツイのをぶち込んでやってくださいっ!!』
切羽詰まった声での通信が掛かり、トゥアールがこの土壇場で改造を完成させた機械を作動させ、ウージの動きをほんの数秒、されど数秒、がっしりと止めた。
重々しい音が鳴り、見ると捨てられた筈のイエローの武装が合体して、巨大な砲台を作り出している。
テイルレッドもテイルブルーも、全身全霊をぶち込むべく武器を高く振り上げる。
「「「オーラピラー!!」」」
三色の光の渦がウージへと纏わり付き、その巨体の動きを封じる。拘束機器が無くなっても、その力は彼をがんじがらめに縛り付ける。
「グランド……」
「エクゼキュート……」
「ヴォルティック……」
これで決める――――三人の心内が一つになった、正にその瞬間……レッドは宙を掛け、ブルーは大地を踏みしめ、イエローは空高く跳び上がり―――
「ブレイザーーーーーッ!!」
「ウェイブ!!」
「ジェッジメントオオォォォッ!!」
大焔の赤が、激流の青が、雷電の黄が……莫大な力の奔流達が中央で交差し、色の三原色で構成されしカラフルな大爆発を巻き起こした。
余りの威力からか嵐の到来とも取れる爆風で辺りは荒れ、廃工場の一部も吹き飛ばされ、地の掴みが甘くなっていた木々が根こそぎ空中へ放り出されて行く。
グラトニーですら技を使わねば防げなかった一撃、それが三発だ。幾ら単純感情種と言えど、何も無しで受けて無事ではいられないだろう。
「こ、これで……どうだぁっ!!」
「少しは痛い目見たでしょ……」
「三人の合わせ技……燃えますわ」
紛う事無き文字通り全力を注ぎこんだ一撃に、三人とも体力を使い果たしてフラフラになっている。その事からも、先の必殺技の威力の高さだ窺えた。
『大丈夫です! これだけやれば流石に動けない筈です!』
トゥアールの称賛もあり、されど油断はせずに砂煙の中を睨みつけ、もしもの時はなけなしの力を振り絞ってでも、と武器を構えるが……突撃はしてこない。
どうやら、本当に動けなくなったらしい。その証拠に音も聞こえず煙の向こうには影も形も無く…………
「え?」
と、そこでテイルレッドが素っ頓狂な声を上げた。
そう、影も形も『無い』……今までで一番強かったにもかかわらず、姿形が残っていないのだ。
「まさか、俺達で倒せちゃった?」
「みたい、ね……」
「嘘みたいですわ……あんな強敵に」
『やり
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