暁 〜小説投稿サイト〜
寄生捕喰者とツインテール
偽りある “衝動” の大火
[1/12]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
 
 轟音を立てて岩と瓦礫が砕け散って、四方八方へ無造作に飛散してゆく中、グラトニーと “腕” のエレメリアンは更なる戦闘を続けている。


「ヤアアッ!」
「〔ジョオオオオ!〕」


 柿色の弾丸が雨の如く降り注ぐ中で、グラトニーは風で加速させた左腕を打ち込み、“腕”のエレメリアンがそれを片腕で防御して、地面を掴むと強引に前へと進んでくる。


 泥の上を滑りながら両腕で殴りかかってくる攻撃を、グラトニーも威力では無く妨害の重視した風の弾丸と、小回りの利く右腕で応戦してダメージを最小限に抑えていく。

 密着されぬよう風を使い、後ろへとダッシュする事も忘れない。


「《ブレーク=リボルバー》!」
「へ?」 


 徐に地面を叩きつけたが何の反応も無い。


「!? ……わあっ!?」


 ―――と油断したのも束の間、地面から六つの岩壁が勢いよくせり上がり、グラトニーを上空へと弾きあげた。


「〔ジョオオオア! ジョオオア! ジョオアアアア!!〕」


 “腕” のエレメリアンはそれを逃さずとばかりに、すぐさま岩壁を掴みネジ切るよう砕いて投げ付けてくる。

 地表から上空めがけて “降り注ぐ” かの様に殺到する岩石群を、グラトニーは小動物の如き身軽さで足場代わりにし、目標を狂わせながら回避し続ける。


 当然と言うべきか、それは長く続かない。


「《ブレーク=ショット》!!」
『でけぇし二つ来ンゾ! 油断すんな相棒!』
「ん! おーけい……!」


 一際大きな岩をぶん殴って砕ける『瞬間』に固定。
 拳の威力と速さにより生じる重さ、そして強化能力でさらに威力を上乗せし、ジェット機とも聞き紛う騒音を持って “ソレら” は飛んでくる。

 ラースからの忠告でグラトニーは一瞬動きを止めてから、足場代わりの岩礫を砕き上空へ跳ぶ。一射目の柿色の岩塊が舌を通り過ぎ、周りの弾幕達を砂や礫に変えていく。


 一回転して勢いを殺したグラトニーを見ると、既に左腕の吸気口は開いており、空気をより一層取り込んでいた。


 意識を向けたと同時、間髪を入れずに二射が寄り騒がしい音を立て、彼女目がけてぶっ飛んでくる。


「《風砲暴(ふうほあかしま)》!」


 適正距離とチャージ分が上回って功を奏し、岩の軍勢は無数の不揃いな石へと姿を変えた。


「〔ジョオハアッ!!〕」
「!」


 またも降り注ぐ石作りの瓦礫を前に、ミニガンでも持ちこんだか重苦しい風切り音が断続的に響く。

 そしてまた、これまで幾度となく見てきた柿色のエネルギーで覆われる瓦礫が、グラトニーへと狙いを定めて何度も何度も飛んでくる。

 片手でバック転しそこから両
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ