偽りある “衝動” の大火
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轟音を立てて岩と瓦礫が砕け散って、四方八方へ無造作に飛散してゆく中、グラトニーと “腕” のエレメリアンは更なる戦闘を続けている。
「ヤアアッ!」
「〔ジョオオオオ!〕」
柿色の弾丸が雨の如く降り注ぐ中で、グラトニーは風で加速させた左腕を打ち込み、“腕”のエレメリアンがそれを片腕で防御して、地面を掴むと強引に前へと進んでくる。
泥の上を滑りながら両腕で殴りかかってくる攻撃を、グラトニーも威力では無く妨害の重視した風の弾丸と、小回りの利く右腕で応戦してダメージを最小限に抑えていく。
密着されぬよう風を使い、後ろへとダッシュする事も忘れない。
「《ブレーク=リボルバー》!」
「へ?」
徐に地面を叩きつけたが何の反応も無い。
「!? ……わあっ!?」
―――と油断したのも束の間、地面から六つの岩壁が勢いよくせり上がり、グラトニーを上空へと弾きあげた。
「〔ジョオオオア! ジョオオア! ジョオアアアア!!〕」
“腕” のエレメリアンはそれを逃さずとばかりに、すぐさま岩壁を掴みネジ切るよう砕いて投げ付けてくる。
地表から上空めがけて “降り注ぐ” かの様に殺到する岩石群を、グラトニーは小動物の如き身軽さで足場代わりにし、目標を狂わせながら回避し続ける。
当然と言うべきか、それは長く続かない。
「《ブレーク=ショット》!!」
『でけぇし二つ来ンゾ! 油断すんな相棒!』
「ん! おーけい……!」
一際大きな岩をぶん殴って砕ける『瞬間』に固定。
拳の威力と速さにより生じる重さ、そして強化能力でさらに威力を上乗せし、ジェット機とも聞き紛う騒音を持って “ソレら” は飛んでくる。
ラースからの忠告でグラトニーは一瞬動きを止めてから、足場代わりの岩礫を砕き上空へ跳ぶ。一射目の柿色の岩塊が舌を通り過ぎ、周りの弾幕達を砂や礫に変えていく。
一回転して勢いを殺したグラトニーを見ると、既に左腕の吸気口は開いており、空気をより一層取り込んでいた。
意識を向けたと同時、間髪を入れずに二射が寄り騒がしい音を立て、彼女目がけてぶっ飛んでくる。
「《風砲暴》!」
適正距離とチャージ分が上回って功を奏し、岩の軍勢は無数の不揃いな石へと姿を変えた。
「〔ジョオハアッ!!〕」
「!」
またも降り注ぐ石作りの瓦礫を前に、ミニガンでも持ちこんだか重苦しい風切り音が断続的に響く。
そしてまた、これまで幾度となく見てきた柿色のエネルギーで覆われる瓦礫が、グラトニーへと狙いを定めて何度も何度も飛んでくる。
片手でバック転しそこから両
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