序章3 サカでの戦闘
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しかし相手が相手なのと、自分の武器でないことがアレスに計算違いを起こさせた。
「そしてもう一つ、お前にはミスがある。それは………」
そう話しながら槍をアレスに向け、構える。
「鎧を外した事で私も本来の速さで戦う事がるようになってしまった事だ!!!」
そう言って一気にアレスの目の前に迫る男。
「なっ!?」
速さでは鎧を外した後でもアレスの方が優っている。しかし鎧を着た時とのスピードの違いに、アレスは戸惑ってしまった。
「終わりだ」
自分に迫る槍に避けることはできないと判断したアレスは折れた鉄の剣を構え対する。
「無駄だ!!」
槍は折れた剣を弾き返し、ずれた槍の軌道はアレスの右肩へと吸い込まれるように突き刺した。
「あぐっ!?」
それでも咄嗟にバックステップしたアレスは突き刺さった槍から逃れ、そのまま地面に倒れる。
深々と刺さる前に逃げる事が出来た為、致命傷にはならなかった。
………しかし最早戦える状態ではなかった。
「楽しかったぞアレス」
男はそう言って槍を振り下ろした………
「………これで大丈夫。深く刺さっていなかったから暫くすればいつも通り走れるようになるわ」
そう言い聞かせて自分の愛馬を撫でる。まだ痛みで荒ぶっているが大分落ち着いたみたいだ。
「皆はどうなったかしら………」
幸運にも戦線から1人離れていくスーを追う者はいなかった。暫く馬を落ち着かせる事で手一杯だった為随分と時間が過ぎてしまった。
リキアのアラフェン領近くまで南下してしまったスーは取り敢えず近くの山の森で身を潜める事にしたのだ。
「歩ける?辛いと思うけど付いてきてね」
走ることは無理でも歩ける様なので、スーは敵に見つからないように、警戒しながら馬をひき連れた。
「静かだ………」
一刻は歩いただろうか。
そろそろ戦闘の音も聞こえてきてもおかしくない筈なのだが聞こえてこない。
「もう皆遠くへ逃げたのかしら………?」
風も何故かいつもとは違う。吸うと気分が悪くなる。
「大地の声が聞こえない………」
何時もならスーに風が色んな事を伝えてくれる。スーは小さい頃から共にあったサカの風が大好きだった。
「うっ………」
余りも気持ち悪さに思わず吐いてしまいそうになる。
スピードは遅くなったがそれでも皆を探す為歩き続けた。
「あっ………!」
そして等々人影を見つけたスーは自然と足が早まる。
「皆……!!」
しかし途中まで進んで足を止めてしまった。
視界に広がったのは自分と同じクトラ族と親しかったリオル
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