序章3 サカでの戦闘
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!!」
ここから再び近距離での戦闘となった。
槍の雨をかいくぐりながらピンポイントを狙って攻撃する。ダメージが殆ど通らないアレスの方が明らかに不利だが、それでもアレスの勢いは止まらない。
「はああああ!!」
最早死力を尽くしている。空気の刃により槍を避けてもダメージが蓄積されていく。アレスの体力が先に尽きるか、相手の男が先に尽きるかの私慢比べのようになっていた。
そしてその近距離の戦いはしばらく続いた……
(このままであれば私の勝ちだ。奴は連戦の上、傷を負っている。………しかし奴は普通の相手とは違う。………一体何を仕掛けてくるつもりだ?)
暫く戦っている内に不気味な感覚を感じた男は、そう警戒しながら槍を振るう。次第に相手を倒すことよりも相手の出方が警戒し、無意識に攻撃の勢いが落ちていた。
(好機!!)
それをアレスは勘づいていた。
継ぎ目のある箇所をしつこく狙い続けていたアレス。ダメージが殆ど無いことはある意味幸運だった。
(今!!)
「うおっ!?」
槍をかいくぐり、上から振り下ろした剣は今までの攻撃とは威力が違った。
鎧を斬り裂く事は出来ないもののその衝撃は相手を震わせた。
「まだそんな力を……!?」
そこで男は異変に気がついた。
「まさか………!!」
鎧の継ぎ目の部分がボロボロになっていたのだ。先程の衝撃も最初ならば気にすることなく戦いを継続できたであろうが、今は違う。
「まさかこれを狙ってしつこく攻撃してきたのか………」
アレスは継ぎ目から攻撃するのではなく、鎧の装甲を繋げている継ぎ目を狙って攻撃していたのだ。最早鎧は辛うじてその役割を果たしているに過ぎなかった。後数回攻撃を受ければバラバラになるだろう。
「流石だなアレス、噂に違わぬ頭脳よ」
ゼハードはアレスを賞賛する言葉をかける。その言い方からも余裕のある声だった。
そしてアレスはまだ気がついていなかった。
この作戦には欠点があった事を。
「これで!!」
アレスは最後の攻撃を与えようと剣を横薙ぎに振った。あと1撃が入れば鎧は崩れる。
「本当に残念だ」
「!?」
アレスの剣は鎧に当たった。その衝撃と共に、鎧は男から外れていく。
しかしそれと同時に………
「限界が来たようだな。幾ら鉄の剣だろうとあれだけ酷使すれば使えなくなる」
鉄の剣は相手の鎧の繋ぎ目を斬り、鎧をバラバラにする事に成功した。……だがそれと同時に鉄の剣は負荷に耐え切れず折れてしまった。
「ここでか………!!」
アレスも普段であれば武器の耐久力をきちんと考えて戦っている
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