第二話:月日は流れる。
[5/5]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
にないし、見られれば当然恥ずかしい。今ここで燃やしてしまえば、誰にも見られる事は無い。
嫌に勘の鋭い父親に何か感付かれる可能性もあったが、どうせいつもと変わらぬのだと割り切ろう。
俺は袋を手に持ち絵馬を次々放り入れ、境内の端で焼納し始める。
内容など見ることではないのだからと、機械的に清めの炎(と言う名の勢いが強い焚火)に次々くべてやり、最後に自分のノートを放り込む。
パチパチと紅い炎が上がり、煙が静かに点に上っていく様は、この朝方の境内に流れる独特の静けさも相まって、俺の好きな光景でもあった。
材質が材質なのかなかなか燃えないノートも、段々と形を失い炭となり、最後は欠片も残こさず消えて行った。
これで朝のお勤めは終わりだと、朝食を食べるべく俺は踵を返す。
―――――その時だった。
「うぐっ!?」
突然体中に猛烈な痛みを感じ、思わず蹲ってしまった。
痛てぇ……何だこれは……!? 何が起きてんだ……!?
治まれ治まれ治まってくれ……っ!!
思考すら出来ず吹き飛びそうな激痛の中、ただただ俺は願ったが……一際大きな激痛と共に気を失ってしまう。
意識が唐突に、急速に暗転していく中、等の俺はただの一言も、本当に何も考えられなかった。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ