第159話 黄承彦がやってくる 前編
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あれば何か腹案があって訪ねてきているものと思います」
正宗の話を聞いた桂花は更に自分の考えを正宗に説明した。
伊斗香は桂花の話を聞きながら腕を組み顎に指をやり考え込んでいた。朱里は黄承彦と個人的な面識がないのか何も言わず桂花の話に耳を貸していた。
「桂花殿の仰ることは一理あります。黄承彦殿は後先を考えず正宗様に無理強いをすることはないでしょう。会うだけ会ってみれば良いかと思います」
桂花の意見を聞いていた伊斗香が桂花に賛同するように話した。彼女は黄承彦とある程度交友があるのかもしれない。
「朱里はどうだ?」
正宗が朱里に話を振ると頷いた。
「黄承彦殿の出方を見てからでも遅くないと思います。ですが黄承彦の夫の助命については明言をお控えください」
朱里は黄承彦の前で彼女の夫を助命することを確約してはならないと念押しした。正宗は頷いた。
「ここで例外を作ればさらなる例外を生むことになりかねない。そうなれば後々反乱を起こされ面倒なことになる可能性もあり得る。蔡一族の血筋は可能な限り抹殺しなければならない」
正宗はそう言うと近衛を呼び黄承彦を自らの陣幕に通した。この場には荀爽はいない。正宗、朱里、伊斗香、桂花の四人。黄承彦は連れの者を一人連れていた。その連れの者は黄承彦と年の近い壮年の男だった。
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