暁 〜小説投稿サイト〜
serial experiments S. A. C
イドの昇華 -Sablimatin of Id- Collective unconscious
宣戦布告
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「昨日、また死亡者が出たわ」
ぐるりとミーティングルームの課員たちを見渡す。
「ということはそろそろ突っ込んで調べていいってことだな?」
「そうなるわね」
ふう、と溜息をつく。
まだ深くは調べなくていい、と指示したのは自分だ。
今回の被害を悔やむよりもひたすら前を向いて解決することが早急な課題のはず。

「少佐、聞き込みによると死亡者に共通する点はやはり『デスゲーム』のようです。それから…どうもヘビーユーザー且つ他のプレイヤーから疎ましく思われていたようで」
「あなた、聞き込みをしていたのよね?何故他のプレイヤーからの意見がわかったのかしら」
「ワイヤードを使用するのは主にティーンエイジャー。そして、その年頃は学校での接触だけではなく電脳空間においても接触を行いコミュニケーションをはかるって寸法です」
学校という特殊な空間、か。

「少佐。後でlainというアカウントにちょっと突っ込んで貰いたいんだがいいか?」
「わかったわ」
目下の課題はlain。
lainが何者なのかそれが判らなくても接触をはかれば事件の阻止が出来るはず。
希望的観測はよくないのだけれどね。







「なにこれ…『電脳空間ワイヤードでの事件解決にご協力下さい』って。……事件?ワイヤードで何が起こってるの?」
lainは飛ぶ。
かつて作った自分の世界へと。

『おっ、lainだ!』
『初めて見たー』
『女の子?』
『久しぶりlain』
『あれがここの…』
『ていうかあの動き凄くない?』
『やっぱりデスゲーム絡みじゃね』
『人が死んだしなー』
『デスゲーム?』
『lainー』

「そう、デスゲームで人が死んでるの。何故?私はそんなこと望んでない」
(本当に?)

はっと後ろを振り返る。
幻聴だったのだろうか、そこには何も存在していない。







「少佐!ワイヤードにlainが現れました!」
「今すぐ潜入するぞ!体を頼む!」
もしもの時のために頼み、すぐにワイヤードへ飛ぶ。

『あなたがlain?』
管理者というよりも一般プレイヤーの方が似合いそうな女の子のアバター。
左のもみあげだけが長く結ばれている。
『そうだけど。あなた、誰?』
『私は、今このワイヤードで起こっている事件について調べている者よ』
『もしかして、デスゲームの?』
『そう。あなたに聞きたいことがあるの。いいかしら?』
『私は、何も知らないよ。それでも、いい?』
『勿論』
電脳空間内での書き換えが行われる。
雑多なざわめきがある空間から2人しかいない空間へと。

『……見事なものね』
『ううん、こんなの、全然だから』
lainは首を横にふる。
『肉体がない場所の書き換えなんて
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