第3章 リーザス陥落
第43話 奪われたリーザスの要と窮地のカスタム
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ます」
「おう。ヒトミは、オレの事、怖がってるみたいだしな。頼むわ」
「ええ。うふふ、ヒトミちゃんにイタズラをしたからですよ?」
「仕方ないだろ? あんだけ可愛いんだ。ま、あんまし虐めたら、ユーリに何されるかわかったもんじゃないから、あれ以上はもうしないがな」
キースはそう言いながら ハゲの頭頂部をボリボリと掻いていた。
一体どんなイタズラをしたのだろうか……。気になる所だが、ヒトミは話すつもりは無いような為(ハイニの事は大好きだから)、ユーリが知る事も無かったのだった。
ハイニが大丈夫だと言っていたローラだったが、お菓子をめいいっぱい頬張りながらも、ランス達の話を訊いていた。
「もぐ……もぐ……聖剣、鎧。……もぐ、もぐ……武器屋……」
ブツブツ、もぐもぐ、と 食べるのか、呟くのかどっちかにしろ、と言いたいが、今の彼女には何言っても無駄だろう。 その後は直ぐにローラは このギルドを後にする。
そして、これが後に波紋を呼ぶことになるのだった。
〜アイスの町・キースギルド前〜
「おい!遅いぞ、ユーリ!」
「遅いって……、ほんの数秒じゃないか。まぁ良い。やる気になってるのなら、願ったり叶ったりだ」
ユーリはそう言うと、少し早足になりながら 進んでいく。そして、ふと路地裏を見た時だ。
「……ん?」
視界の端に捉えた為、その路地裏を見たのだが……、捉えたのは一瞬だ。何かが横切ったのだ。
「どうかしましたか? ユーリさん」
「いや……、何でもない」
町の誰かがいたのだろうと、そう深くは考えていなかった。
だが、それは間違いだったのである。
「絶対に許さない……っ」
動く騒音機は、息を潜め 宛ら忍者の如く静かに、町を駆け抜ける様に消えていったのだった。
〜アイスの街・武器屋〜
一行は、ギルドの報酬を片手に武器屋へと到着する。
ランスは意気揚々と戸を開いて中へと入っていった。おそらくは、店番にひょっとしたら、レンチと言う少女がいるかもしれないと思ったのかもしれない。……期待は露と消えてしまったようだ。
「ちっ……、またオヤジが店番してんのか! レンチさんが懐かしいなぁ」
「かぁぁぁっ ぺぇっ!! お前が近づいたら、鬼畜の匂いがするから、レンチは奥へと避難させてるんだよ」
いつも通りの毒舌からランスは入って、オヤジはオヤジでそれを眉一つ動かすことなく受け止めて真っ向から返していた。 だが、何処となく 妙な雰囲気が出ているのが判る。
ランスの事が嫌いだと言うのに 何処か『待ってました!』と言わんばかりの雰囲気が出ているのだ。
「……」
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