第3章 リーザス陥落
第43話 奪われたリーザスの要と窮地のカスタム
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きゃあっ!!」
思いっきり放られてしまったので、いい具合に身体を打ってしまったのだろう。叫び声が訊こえてきた。……袋詰めにされているから、かなり篭って訊こえる。 ランスは、放る前に 袋の結びを解いていた様で。
「ぷはぁっ!!」
途端に、ローラが飛び出てきた。見た感じでは 怪我らしい怪我は無かった様だ。……ここへと帰る道中も、それなりに戦いはあったから、心配はしていたんだが。
「ずっと、暴れていたし、よくよく考えたら、大丈夫だろう」
「……ある意味凄いです。人って、長く狭い場所に閉じ込められてしまったら、声なんか あまり出せない事が覆いんですが……最初だけなら兎も角」
かなみは、かつての経験からだろう、そう呟いていた。望んではいなかったとは言え、加担していた彼女だから。
「もう、してないよな? かなみ」
「ふぇっ!! も、勿論です!! リア様も、そんな事はしなくなりました! ……あの時は、ユーリさんにもご迷惑を……」
つい、つぶやいてしまった事が裏目に出てしまったかなみは、慌ててそう言っている。
勿論、ユーリは判っていた。リーザスで黒い噂がめっきりなくなった事もそうだから。
「冗談、だ」
そう言って、笑っていた。かなみは、そんなユーリを見て、また 顔を赤らめるのだった。
そして、そうこうしている内に、再び絶叫が聞こえてくる。
「ってここ、アイス……!? なんて事すんのよ! この人攫い! 鬼畜!! ウー君を返してよ! レイプ魔!!」
その絶叫は、キースは勿論 直ぐ傍で控えているハイニにも勿論聞こえている。と言うより、これだけの絶叫であれば、外まで聞こえているだろう。
「確かに、インダス会長の御息女……ですね。その、とても活発的なお嬢さんだとは訊いてましたが……」
「何をしたのやら……。あんまり、想像したくねぇな」
キースとハイニは、2人してため息を吐いていた。ランスの性質を知っている2人だ。大体の事は察した様だ。……直ぐ傍で、ユーリも苦笑いをしているのも気づいていた様だ。
「言っとくが、初めっからこんなだったぞ? 躾は依頼の内に入ってないな?」
「何言ってんのよ!! あんたが、あんた達がウー君と私を引き離したのが悪いんじゃない! 下衆! 口でか猿!! さっさと返しなさいよ! ええ!> ウー君を返せって言ってんでしょ!! このクソ緑! ファッ○ンググリーン!!!」
ランスの性質を考えれば……何されたのかは判る。だが、しこたまされた後も、ここまで喰ってかかれるのは、凄い。
「……しれっと、一括りにされるのは嫌だな」
「うっ…… 私も同感です……」
ローラの言葉の中には、『あんた達』とあったのだ。……つまり、この場にいる全員
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