第十五章 忘却の夢迷宮
第九話 身体は剣で出来ている
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aaッ!!
炎の魔人の前に炎の壁が出現する。
これまで幾度となく士郎とワルドの間を隔てていた絶対の障壁である。
近づくだけで燃やし尽くされる。
触れれば灰にも残らず燃やし尽くされる。
その炎の壁に、士郎は躊躇なく突進する。
そして―――
「―――大盤振る舞いだ。遠慮するな―――全て喰らえッ!!」
―――数十の剣群が炎壁に飛び込む。
半分以上が壁に触れる前に燃え尽き、三分の一が炎の壁に飛び込み蒸発、残りの剣が炎の壁の半ばまで突き進み―――
「―――壊れた幻想ッ!!」
爆発した。
――――――■■■aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaッ!!?
炎の壁が崩れ、揺らぎ、開いた隙間から黒と白の双剣がワルドへ襲いかかる。
双剣は正確にワルドの炎の剣を持つ手へと回転しながら迫る。
―――gaaaッ?!
狙い違わず、双剣は炎剣を握るワルドの腕を切り裂いた。
正確には、打撃した。
“火石”を取り込んだ故か、双剣は耐久度が跳ね上がったワルドの腕を切り裂く事は出来なかったのだ。
しかし、士郎の狙いは達成できた。
ワルドの手から炎剣が離れる。
無手となったワルド。
その正面に、炎を纏いながら炎の壁を乗り越えた士郎が飛びかかる。その手には一振りの剣。
その切れ味は士郎の知る宝具の中でも群を抜く一振り。
「―――ッオオオオオオオオオオオオオオオォォォ!!」
―――絶世の名剣。
例えどれだけ相手が硬かろうと、絶世の名剣の前では意味はない。
ワルドの身体から放射される炎熱に全身を焼かれながら進む。
皮膚が爛れ、絶世の名剣を握る柄に掌が張り付く。
裂帛の気合を放つ口から熱せられた空気が入り込み、喉奥と臓腑を燃やす。
視界が白く濁る中、士郎は構わず絶世の名剣を振り下ろす。
狙いは一つ―――首。
一刀の下に切り伏せ終わらせる。
ワルドは無手。
これまでの戦闘からわかったこと―――狂気に落ちているためか、反応は早いが咄嗟の判断は遅い。
ならば、この一撃は防げない。
その確信の下に振るわれた刃は―――しかし、
「―――ッ!?」
僅かに逸れ、首筋の横、ワルドの右の肩口から刀身が袈裟切りに入り―――
■■■aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaッ!!?
「―――ッ!!!???」
―――炎に飲まれた。
ワルドの身体に刃が食い込んだ瞬間。
刃が入り込み
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