紅い眼
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
フォルツ。」
「何だ。」
「こんな事はあまり言いたくないのですけど…。
…私の血を吸いに来たのですか?」
「…。」
俺はその問いにただ黙る事しかできなかった。その問いからしばらくすると。
ガチャン。
鍵の開ける音と共にアリスがチラッとドアの隙間から見て来た。
「…入って下さい。」
「…。」
俺はふらふらとアリスの部屋に入る。そうして俺はベッドに座るアリスを見る。
俺はそれを見てボソッと。
「…怖くないのか?」
「そうですね。怖いと言われたら怖いですね。
貴方の眼も紅いですし。」
アリスはそう言って俺をジト目で見る。とても綺麗だ。そのシルクの陶磁器の様な綺麗な首元もその整った顔立ちも。早くそれをグチャグチャにして台無しにしたい。
…頭が真っ白になりそうだ。
そして俺の渦巻く狂気にアリスは気付いてないのかジト目で話を始めた。
「では怖くない様に血を吸われる前に話をしましょう。
…そういえばヴァンパイアって貴方だけなんですか?あのアスモディウスというのもヴァンパイアですけど…。」
「…。ヴァンパイアは分類として2種類いる。
一つはピュアブラッドと呼ばれるヴァンパイアだ。これはアスモディウスと他に世界に7種類いると言われている。それらを総称して『七つの大罪』と言われている。これは元々最初からヴァンパイアだった者たちだ。」
「もう一つは…?」
そうアリスが言うとフォルツが紅い眼でアリスを睨んでベッドに押し倒す。
「…!」
「2つ目はアナザーブラッド。普通、男がヴァンパイアに血を吸われるとグールになるが…。例外もある。
…それが俺だ。」
そうしてフォルツはアリスの首元に口を寄せる。押し倒された時に女の子特有の甘い香りがする。
アリスは少し身体に力を入れる。
「あ……。」
「…力は入れないで…。すぐに終わります…。」
もう、フォルツは最後に残っていた正気も消えて虚ろな紅い瞳でアリスの首元を愛しそうに舐める。
「……きゃあ!」
いきなり首元を舐められて一気に力が抜けるアリス。そして最後にフォルツに呼びかける。
「…最後に教えて下さい。
何で扉を壊さなかったんですか?」
「…は?」
アリスはそう言って俺の肩を押し、一回引き剥がす。その問いに少しだけ正気に戻った。
力は俺の方が強いのに何故か引き剥がされた。
「あの時あんな無駄に下手に正気の演技をしないでヴァンパイアの力を使ってこじ開ければ良かったじゃないですか。」
「それは…。」
なんでだろう。そう言えば俺はあの時無駄に部屋に入る前に演技をした。正気の俺を。
するとアリスは俺の顔を見て少しだけ微笑んだ。
「…フォルツ。まだ貴方は人間でいたいんですよね?」
そ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ