紅い眼
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「大変!ゼツ君!」
フォルツとゼツが別れた夜。
ニナが慌てふためいて酒場に来ていた。そこにいるのはゼツとリナとラン。どうやら今後のラクーアのギルドや自治についての話し合いをしてたらしかった。
ニナはそれを見てホッと胸を撫で下ろす。
「良かった…。ランちゃんとリナちゃんは無事だった。」
「何かあったのー?」
ランはそう言いながらフライドチキンを齧りながら聞いてきた。ちなみにフライドチキンの骨はもう数十本になっている。リナはキョトンとした顔でゼツとのカップルジュースを飲んでいた。
そんな中、ニナは未だ慌てふためいて。
「フォルツを止めて!」
その言葉を聞いた3人はすぐさま話し合いを止めて自分の武器を用意し始めた。当然だ。ニナがそういうことを言う時は一つしかない。
吸血衝動による暴走。
そしてゼツは冷静にニナに質問する。
「ニナ落ち着け。フォルツがどうしたんだ?」
「フォルツが急にベッドから起き上がって『アリスの血を吸いたい』って言って…。」
「アリスは大丈夫なのか?」
「僕が部屋に行ってまだいたからとりあえず『誰が来ても絶対にドア開けないでね!』とは言っておいたけど…。」
ゼツはそれを聞いて少し考えるとテキパキとみんなに指示を出す。まずはランの方を向いて。
「とりあえずランは街中を見て来てくれ。」
「えー!こんなか弱い乙女を吸血鬼のいる街に一人ポイ捨てしちゃうのー?ダメだよ!ポイ捨ては良くないよ!」
「ポイ捨てはともかく、お前がか弱かったら全世界の人々がか弱くなるだろ…。頼む。戦力的にも機動力的にもお前しか頼めない。」
ゼツがそう言うとランはどうやら適任だと分かってたらしく、すぐにいつも通りのハイテンションではい!と答える。
するとゼツ今度はリナの方を向いて。
「リナは俺と一緒にアリスの部屋まで来てくれ。ニナも頼む。」
「了解!ゼツ!」
「了解。」
そこからの四人は直ぐにその行動へと移した。
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コンコン。
「アリス…。いる?」
正気を失ったフォルツはいたって冷静を装いながら軽くノックを入れる。
返事はない。だけどヴァンパイアの力が冴え渡っている。
いる。愛しい、愛しいアリスが。
…乾きが喉を疼く。
「ニナに頼まれた。お前を守れとさ。
…ったく面倒だ。」
「…面倒なら帰ればいいじゃないですか。」
するとアリスはボソッと扉越しに話しかけて来た。俺ははあ、とため息をつきながら答える。
「帰りたいのは山々だかな。
…お前には貸しがあるからな。」
そう、貸しがある。この前、血を飲ませてもらった。だから…!
するとふいにアリスが俺にポツリと。
「あの…
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