第32話 夜叉と死に損ない、世界を渡る
[6/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
うつもりは無い。それより……」
老人がそう呟くと重傷で動けなかった原田に視線を向け、語りかけた
「赤いの…お前さんに聞きたいことがある」
「はぁ、はぁ、あかっ…って……まぁいいや…聞きたいことは何だよ爺さん。見ての通り、俺は長く聞けないぜ?」
「そのようじゃのう……では単刀直入に聞く」
そう言った老人は原田にとって予想外の言葉を切り出した
「土方歳三と雪村千鶴に手を貸してくれんか?」
「……………は?」
この老人の言葉に原田は呆けた
「ちょっ……待ってくれ爺さん。なんでそこで土方さんが出てくるんだ。それと、なんで千鶴のことを知ってるんだよ」
そう、雪村千鶴の存在は新選組の中でも限られた幹部……他は例外として風間達西の鬼の一族しか知らないはずなのに目の前の老人は千鶴の名前を知っていたことに原田は殺気を込めて問いかけた。対する老人は原田の殺気に臆することなく答えた
「そう殺気立つな若いの。ワシがあの娘のことを知ってたのは…」
老人が説明しようとした次の瞬間…!
「あらお師匠さま?こんな所で一体何をやっていますの?」
「むっ!」
「「っ!?」」
また別の人間の声が聞こえた。原田と不知火が声が聞こえた方に視線を向けるとそこに居たのは腰まで届く長い黒髪、ヘソを出している白肌。さらに言えばこの幕末の技術ではまだ加工できないはずの革ジャン。何より一番目を引いたのは10人中10人は眼を引くほどの美人だったことだ…………右目が機械仕掛けの義眼になっていなければただの美女と呼べただろう…そんな美女に対して老人は親の仇を見るような眼で睨んでいた
「やはり貴様かカミラ…!」
カミラと呼ばれた美女はクスクスと妖艶な笑みを浮かべながら話しかけた
「お久しぶりですわねお師匠さま……実に50年ぶりですわね」
「そうか…もうそんなに経つのか。にも関わらず、その姿は変わらないのだな…いったい何人の娘どもを喰らいおった?」
「さぁ…わたしもこの美貌を保つための研究をずっと続けていたのでよく覚えていませんわ…」
「お、おい爺さん。あの女はいったい…」
「スマンが今お前さんたちの話し相手をする暇が無くなった。今からお前さんたちを別の時代へ飛ばす!あとはそっちで何とか生きてくれ!」
すると原田たちの足元から特殊な術式が描かれた魔法陣が浮かび、2人の姿が薄れていった
「ちょっおい!」
「待てクソジジイ!!ちゃんと説明しろ!」
「説明は目の前の用事が済んでからじゃ!」
「後で忘れたなんて言うんじゃねぇぞコラァッ………!!」
原田と
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ