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とある異世界の交差物語(クロスオーバー)
第32話 夜叉と死に損ない、世界を渡る
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ぁぁぁぁぁぁぁぁぁいっ!!」



そして次元ドロボーの光が消えた後、万事屋一行の姿はどこにも無かった



「行っちまったか…ま、銀の字なら大丈夫か…」

そんな身も蓋もないことを言う源外も結構薄情かもしれなかった…


























所変わって時は慶応4年5月17日、東京……否、江戸の上野…後に語られる戊辰戦争の一つ『上野戦争』で1人の(おとこ)が息を引き取ろうとしていた。



「はぁ…はぁ…はぁ…」

戦いで受けた傷なのか腹部から溢れる血を抑えながら荒い息をしている赤髪の男の名は原田(はらだ)左之助(さのすけ)…新選組十番組組長であり、近藤勇、土方歳三が信頼していた新選組創成期メンバーの1人だったが、『甲州勝沼の戦い』の後、局長である近藤との意見が相違し、同期であり、仲間だった二番組組長永倉(ながくら)新八(しんぱち)と共に新選組を離脱。その後 千鶴の父である雪村綱道が率いる数十人の羅刹隊を殲滅するために“ある男”と協力し、たった2人で激しい死闘を繰り広げ、勝利をもぎ取った。

「お前…これからどうするんだ?」

その男の名は不知火(しらぬい)(きょう)……左肩に龍の刺繍があり、剣より銃を好む変わった男。長州藩に属する鬼の一人であり、左之助たち新選組の宿敵であった鬼の一人である。同族だったが裏切り者の綱道を断罪するために敵対していた原田と協力し、勝利を収めた。

しかしたった2人で羅刹隊を相手にして無事の筈がなく、原田は腹部を負傷し、重傷。満足に動けなくなっていた。不知火の質問に原田は…


「そう、だな…この後、新八と会津で合流して、千鶴と会う約束を……してた……からな…」

「…そうか………」


たったこれだけの会話だが、敵対していた男たちの会話としてはこれで充分なのか不知火はこれ以上は聞かなかった。原田の最期を見届けるために…






「若いの、スマンが主らをここで死なせるわけにはいかんのじゃよ…」

「「ッ!?」」



誰も居ないと思っていた戦場に姿を現したのは1人の老人だった。肩まで届く癖毛が混ざった白髪のボブヘアー、原田と不知火は着物と洋装の違いしか知らないが老人が着ているのは黒い紳士服、白いローブを纏い、その背中には漢数字の“六”と書かれていた。

そして何より特徴的だったのは額から両目にかけて“×”状の斬り傷の痕が刻まれていたのだ。

不知火はそんな老人に対して警戒しながら語りかけた

「なんだ爺さん?アンタ見た所、西洋人みたいだが、こんな所で何やってんだよ?」

「なに、儂はただの老いぼれ。お前さん等若い(モン)と争
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