第27話
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と漢王朝の間には不和があるが、この事態を期に、董卓に味方する事で漢王朝の忠臣へと返り咲こうとするかもしれない。そしてそうなれば、連合軍の勝利は厳しいものになるだろう。
「仮にも天子様が居られる洛陽へ……軍を向けるのは不敬ではないか?」
「て、天子様が居られるからこそ、暴君董卓を退かねばならぬのです!!」
「…………」
連合軍に否定的ともとれる袁紹の言葉に使者の男は慌てる。袁紹の懐柔が連合の勝利に繋がるのだ、その重責は余りにも重く。滝のような汗を流しながら必死に参加する利を説いた。
「…………」
重大なこと故、返事は後日に――と使者の男を下がらせ、袁家の主だった者達だけが謁見の間に残った。
袁紹は腕を組み、眉間にしわを寄せながら思案に暮れる。
これは彼の癖だ、案件が難解なものであればあるほど、袁紹は目を閉じ思案する。
こうなると反応が鈍くなるため、それを理解している者達は一様に口を閉じ。主の考えが纏まるのを待っていた。
しばらくして、考えが纏まった袁紹は目を開ける。
「……桂花」
「連合に参戦するべきです」
袁紹は自分なりに答えを導き出した上で、袁家の知達に意見を求めた。
それを理解した桂花は、即座に自分の意見を伝える。
「董卓軍の勝率は低いです。仮に私達が加わったとしても、勝利できる保障がありません」
「うむ、……風」
「風も桂花さんと同じです〜、連合に参加しましょう」
続いて声をかけられた風。いつもは眠そうにしている彼女だが、この時ばかりは真剣な表情をしている。
それもそのはず、この一件は先の黄巾と同じく大きな分岐点だ。選択を間違えれば手痛い犠牲を出す事になる。
「袁家と漢王朝には不和が続いています。たとえ董卓につき勝利したとしても、漢王朝に取って代わる可能性がある袁家を、優遇したりはしないでしょうね〜」
「……うむ」
袁家は力を蓄えすぎた。そこに漢王朝との不和も混じり洛陽の宦官達に警戒されている。
「音々音、お主はどう思う?」
「え!? ねねの意見も聞いてくださるのですか?」
「袁家の知の一人なのだ。当然だろう」
「……はいです!」
歓喜して声を張り上げる。ただ意見を求められただけに見えるが、これは袁紹が言葉にした通り、音々音を知の家臣として認めた事に他ならない。
長らく桂花の下で縁の下を興じてきた彼女が、表舞台に出ることを許可された瞬間でもあった。
音々音は即座に己の考えを纏め上げ答えようとする。余り納得がいかないのか、悲観的な表情が特徴的だった。
「ねねもお二方に賛成です。漢王朝はもはや風前の灯、泥舟に乗る必要はないのです……ただ」
「
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