第27話
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とするのは、ひとえに背後にいる袁紹の存在である。
その袁紹が本腰を上げた場合。本来なら反袁紹派には対抗策は存在しない――が。
格式の高い家柄の出である彼等にとって、立場とは命の次に大切なものだ。
それを守るため、無謀な軍事行動に出る可能性もあった。可能性は低いが、転ばぬ先の杖である。
そして何故迅速に動かなければならないか、その理由は大陸の情勢にあった。
黄巾の乱から左程時は経っておらず、大陸の疲弊は未だ続いている。黄巾達は土から生えた訳ではない。彼等はもともと何処かの農民達である。
彼等が抜けた土地は寂れ、その街の生産力は著しく低下。されど改善されない重税に難民達が安息を求め、離脱していくという悪循環に陥っていた。
漢王朝の権威は地に落ち、各地は浮き足立っているこの状況。袁紹は自身の『知識』と勘から、近いうちにまた事が起きると推測、そのために迅速に動く必要があったのだ。
そして、この袁紹の勘は的中することになる。
事が起きたのは二日後、軍備も整い、いざ反袁紹派の一掃に! と息巻いていた時である。
漢王朝からある知らせが袁紹を始め、大陸各地の諸侯に届けられた。
その知らせとは―――『董卓』を、実質天子の次席である相国に据えたと言うもの。
唯の抜擢ではない。涼州で部隊を率いていたところを十常侍である張譲によってだ。
涼州で黄巾を相手に優秀な部下達と手柄を挙げていた董卓は。洛陽付近に黄巾の集団が現れた時に居合わせ、これを見事に退治して見せた。
董卓軍の武力を気に入った張譲は彼女を天子に会わせ、忠臣達が反対するなか洛陽の相国に据えてしまった。
そしてそれと同時期に――『董卓』が暴政を働いていると言う噂が大陸を駆け巡ることになる。
「反董卓連合軍……か」
「左様で御座います」
ようやく反袁紹派を一掃できるという矢先、『董卓』の一件により情勢を静観していた袁紹達の下に、ある知らせが届いた。
『反董卓連合軍』洛陽で暴政を行っている董卓を、諸侯が一丸となって排除しようと言うものである。
正確にはまだ連合は出来てはいないが、大陸の情勢や諸侯の胸中から、遅かれ早かれ連合は組まれることになっていた。
「大陸屈指の名族、袁紹様がお立ちになられれば。各地の諸侯も賛同し一丸となるでしょう!」
「…………」
諸侯の使者を名乗る男は、袁紹を連合に参加させようと捲くし立てた。
各地の諸侯が足踏みする理由。それは他ならぬ袁紹陣営に理由がある。
連合が集結すれば董卓軍の勝率は低い。だが、袁紹が董卓に与すれば話は別だ。
名族袁家の名は伊達ではない。兵力はもとより、武力、知略共に大陸最強である。
幸か不幸か袁紹
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