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黒き刃は妖精と共に
【白竜編】 正体
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中の子供たちに旅の話を言い聞かせたくらいだ。叱る、などという経験は無いからどのくらいが適切なのか。
 今言った言葉は事実だ。信用はされても行き過ぎた過信は危険だ。僕とて無敵超人ではない。
 とはいえ、このままというわけにもいかないか。

「確かに命に関わるのはわかってるわよ、でも……」
「あー、いや。シャルルの言うとおりだ、僕こそごめん。言い過ぎた」
「……ううん。クライスさんは間違ってないです、私が勝手に受けたことでクライスさんが命の危険に晒されるなんて考えてなかったんですから」
「うん、そうやって後悔してくれてるだけで十分だよ。今後も一緒にドラゴンの噂を追うんだ、まぁ今回みたいな場合は仕方ないけど今度から何かあったときは僕にちゃんと相談してほしい。君は僕の希望をくれた恩人だ、そんな君の願いなら僕はできる限りかなえるつもりだから」
「許して、くれるんですか? 私、クライスさんのことも考えずに勝手な事したのに」
「許すもなにも、別に怒ってるわけじゃない。さっきは命がどうとか大げさに言ったけど、あくまでそれくらい危険なこともあるから気をつけてほしい、ってだけ。ウェンディちゃんのしたことは間違ってない、困ってる人を助けようと思う気持ちはすばらしいものだ」
「……はい! ありがとうございます」

 ウェンディちゃんが泣きそうな顔から明るい顔に戻る。
 この子は子供らしい衝動的な一面はあるものの、こうして自分のした事をちゃんと後悔できるしっかりしたいい子だ。同じ過ちを繰り返すことは無いだろう。
 シャルルも僕の言いたいことは理解してくれたのだろう、しぶしぶといった様子でうなずいている。

「さて、話を戻そう。ドラゴンの相手と闇ギルドの相手、同時はきついって言ったが……そのドラゴン、闇ギルド全体じゃなく個人が操ってる可能性もあるって話だよね」
「あ、はい。町長さんが会った時、闇ギルドのマスターみたいな男の人がドラゴンにじゃなくて、その近くにいた女の子に命令してるように見えたらしいです」
「でも、個人がドラゴンを操るなんて可能なの? 洗脳系の魔法は禁止されてる魔法だから詳しくないけど……」
「僕もそうだ。でも、難しいはずだ。そして難しいなら別の可能性が出てくる」

 こくり、と二人が頷く。
 僕が命の危険が冗談だといえるもう一つの理由、ドラゴンを操る少女の存在。
 あくまで仮説とはいえ、ドラゴンが一回の闇ギルドに操られている可能性と比べれば大分現実的なもののはずだ。

「もしそれが見間違いじゃないとしたら、その女の子がドラゴンスレイヤーかもしれない」
「そうね。ドラゴンスレイヤーなんていってもあんたみたいに戦闘特化じゃないウェンディみたいな子もいるんだもの」
「ドラゴンは操れなくても、娘みたいな存在である人間の女のこ
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