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黒き刃は妖精と共に
【白竜編】 正体
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……ドラゴンの魔法で凍らされた物は二度と溶けない、そういわれたんだって」

 監視されている、とはいえそれは闇ギルドの連中が行うような付け焼刃の穴だけのものだ。現にこうしてウェンディちゃんという魔導師に助けを求め、僕が事情を知れている。
 それでもこの問題が未だに解決していないのは、かの雪の魔法を使うドラゴンの存在があるからだった。
 永遠に溶けない氷を生み出すような強力な力を持つ竜という存在が、闇ギルドというならず者に大きな力を与えている。

「ここには魔法を使える人がいないし、魔導師が来ることも少ないそうです。だから本当かどうかもわからない、けど闇ギルドが操るドラゴンは町長さんが実際に自分の目で見たらしくて……」
「でもあんまりモンスターに詳しくは無いって話だったよな」
「はい。小型のモンスターも滅多に見かけないそうですし、ましてやワイバーンも見たことがいないそうです。だからとんでもない大きさの羽をもった生き物というのは覚えてるそうですが、足の数までは見ている余裕が無かったって」
「ドラゴンとの見分け方は足の数……とはいえそれも必ずじゃないからなぁ、形の違う固体もいる可能性がある」

 姿が判明しているドラゴンがウェンディちゃんのグランディーネだけである以上、本当は足の数やら形だけでドラゴンと判別できる、というのも確証を得るには物足りない。
 ドラゴンを操る力を持っているにしてはササナキのような小さな町を占領していることに違和感がなくもないが、ドラゴンを見つけ操る方法を見つけたばかりで手始めにここの利益で収入を得て山の中で実験している可能性もある。
 
「まぁ、本当にそれがドラゴンで闇ギルドに従ってるんだとしたら一番問題なのは話を聞けるか否かより……僕が生きて帰れるか、ってことだよな」
「…………」

 云うと、ウェンディちゃんが泣きそうな顔になり、シャルルが責めるような視線を向けてくる。
 ウェンディちゃんに助けを求めた女性。それはつまり闇ギルドの討伐、ドラゴンの討伐をお願いしたいということだ。
 通常のギルドだったらSランククエストに該当するような依頼、とてもじゃないがウェンディちゃんの手に負えるようなものではなく、女性はもともとウェンディちゃんを通じて所属するギルドに依頼を届けてほしいとのことだったらしい。
 今の会話でもともとここの住人が評議員に連絡を取ろうとしていた、という話題が出たが、評議員には魔導師がいるにはいるがあくまで犯罪者を捕まえることが仕事である彼らはそこまでモンスター討伐系の任務を請け負うことはない。対人用の魔法とモンスター用の魔法では用途が大分違うのだ。
 モンスター討伐の任務は戦闘系の魔導師ギルドに依頼するのが基本とされている。
 だが評議員とくらべ連絡手段の限られている魔導師ギルド
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