【白竜編】 正体
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った様子もなかったしシャルルの存在があったとはいえあからさまなことはしていない、そんな状況でまさか宿にいる僕らを探して何かされることは無いと思っていた。
だが風呂上りに牛乳を三本買ったりしながらのんびり部屋に戻った僕を出迎えたのは、ただならぬ様子のウェンディちゃんと苛立ったシャルルだった。
何かあったにしては特に荒らされた様子も無く、長風呂過ぎて緊張感が足りないと思われたのだろうか。
そんなアホなことを考えた僕に、ウェンディちゃんはここに闇ギルドがいると言い放ったのだ。
それも、
「闇ギルド【黒い操り人形】、か。そっち方面にも手を出してた僕が聞いたこと無いギルドということは、それほど大きな力を持ってないギルドだと思うんだが……」
「でもその人たちが噂の元凶……雪の魔法を使うドラゴンを操ってここの人たちを脅してるみたいです」
ドラゴンの噂の出所のおまけ付きで。
「町のいたるところに監視ラクリマ、数人のギルドメンバーが交代で見張りをしている。だから監視の少ない温泉……特に少ない女湯露天風呂でその人がウェンディちゃんを見つけられたのは幸運だったな」
「はい、最初は魔導師ってことがばれて何かされるんじゃないかって思ったんですけど……」
なんでも昨晩ウェンディちゃんが入浴していたとき、人が一人もいなかったのだという。
それで油断してギルドマークを隠さずにいたところ、魔導師ではないかと後から入ってきた女性に聞かれ、危うく敵だと断定し僕を呼ぼうとしたらしい。だが彼女は敵などではなく、ここササナキの住人であり魔導師であるウェンディちゃんに助けを求め、ウェンディちゃんの情報は彼女から得たものだった。
ちなみに町を裏から占領するようなギルドでありながら何故女湯に監視のラクリマが設置され盗撮に利用されていなかったかというと、万が一ばれた場合ここから得られるせっかくの利益を棒に振ることになるからだろう。それに温泉という密室や湯船の湯気はラクリマでの監視に不向き。
故に普段なら監視の人間がいるらしいが、人が皆無の時間だっただけに必要な情報をやり取りする時間はあったらしい。
魔導師であることがばれていれば警戒し最初から監視の人間がいただろうし、やはり隠していたのは正解だったということだ。
「闇ギルドが現れたのは半年くらい前だって言ってました。最初はすぐに評議員の検束魔導士に連絡を取ろうとしたみたいですけど、連絡したらそのドラゴンを使って温泉の沸いている場所を凍らしてササナキの住人を喰わせるって脅されてできなかったみたいです」
「で、手早く監視の人間・ラクリマを町に設置して八方塞がりにした、と」
「魔法で凍らされても後で溶かせばいいじゃない、多少危険でも無理やり連絡しようって人はいなかったの?」
「
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