最悪の入学式
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げられ、俺はツッコミ余裕も無く、文字通り寝る間も惜しんで勉強し、その結果見事に合格したのであった。
「にしても意外に普通の所だな。なんかもう少し変わったイメージを持ってたんだけど……まあいいか」
鞄を背負い直し、通学路を歩く。そのまま入学式を軽く終え、部活動見学可能らしいが、興味のあるものが無かったのでそのまま孤児院に帰った。
「いや、あんまり帰りたくねえな…」
孤児院から出るとき、レイナがしつこく写真を撮るなど、一緒に行くなど言ったりしたので、俺は朝早くから孤児院の裏門から出て来たのだ。帰ってきたらなんと言われるか…。
「ただいま」
玄関の扉を開くと、予想外にレイナが立っていなかった。……なんか玄関の所で仁王立ちして待ち構えているのを想像したんだけど拍子抜けだな。
「てか他の皆も居ねえし…。あ、小学校か」
そのまま靴を脱ごうとすると、下駄箱の上に紙が置かれていたのに気づいてすぐに手に取って内容を確認する。
「レイナの奴、用があるならメールとか電話とかしろよ………はっ? 」
レイナの字ではないことをすぐに分かり、書かれていた内容は
『午後五時半までに、〇〇の廃工場まで孤児院の金を全部持ってこい。警察にでも言ったら、女がどうなるか分かってるよな? 』
頭の中が真っ白になる。俺は紙を握り潰して示された場所へと走って向かった。
くそっ!入学当日にトラブルに巻き込まれるのかよ!無事でいろよレイナ!
孤児院から十分後に、廃工場にたどり着いた。肩で息を整え、工場の入り口に置いてあった鉄パイプを持って中に入っていった。
「レイ君……」
「無事だったか……。おいお前ら!レイナから離れろ! 」
レイナは手足をガムテープ等で拘束されており、その側には三人の男が立っていた。
「別にいいよ〜。その代わりちゃんと金を渡したらだけどね〜」
「てかオメェ、金を持ってこいって言ったよな?何で鉄パイプなんか持ってきてんだガキ? 」
「うるせえ……いいから離れろ!離れねえならぶっ飛ばすぞ! 」
鉄パイプの先を男達に向けて叫ぶと、何が面白いのか三人は笑いだした。
「威勢がいいガキだね〜。いいよいいよ〜。やれるもんならやってみろよ」
男三人組の内二人がナイフを持って俺に襲ってきた。さすがに刃物相手は危険だが……
「けど悪いな。その程度でやられねえよ」
俺は一人を真下から鉄パイプを振り上げてナイフを男の手から弾き、すぐさまこめかみに降り下ろした。背後からもう一人がナイフを突き立ててきたが、俺はしゃがみこんで男だけの急所に鉄パイプを振り上げる。
男一人は気絶し、男一人は悶絶しているが動くことは出来ないだろう。
「さあ、次はお前の番だクソ野郎」
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