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少女の黒歴史を乱すは人外(ブルーチェ)
プロローグ
第一話:少年は次の世を見やる。
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「うおっほん! ……優子さん、子供たちの前でそう言うのは……」


 目の前に居る額の広い幼げな女性・優子と、羆の如き体格と迫力を持つ益荒男・京平を、未だに俺は両親だと中々思いきれていなかった。



 前の家族が、生活が忘れきれないのもある。だが、思いきれない本質はそこでは無い……もっと別にある。


 新たな父親である京平は、躾が厳しく前の生活では考えられない事でも殴ってくる―――そう、『殴って』くる。
 俺自身に非がある事も確かに少なからずあるが、放っておいても良かろう事や、単純に彼の個人的嗜好に合わせることが出来なくても、お叱りと称した暴力が飛んでくるのだ。


 朝早く起きないのは悪いことだ。だがそれを殴ってまで強制するのが親なのだろうか? 話す事も何も無いと言うのに、朝一番家族そろって食事 “させる” 為に拳を叩きつけるのが、父親なのだろうか?


 そして新たな母親である優子。彼女は嫌になるぐらいのラブコメ好きで、同時にとんでもない貧弱体質でもあった。
 俺の幼馴染が女であると分かれば、事あるごとにラブコメディー的展開を演出しようとし、酷い時には力付くで押し付けようとまでしてくる。


 だが……ぐいぐい来るのを払いのけると、例え邪魔だからと軽く払いのける様押した『ただそれだけ』でもひっくり返ってしまう。
 有り得ないぐらいの、そして余りにも露骨であり、態とらしいとすら感じる虚弱体質だ。
 そして父である京平が駆け付け、此方の言い分も聞かずに拳骨と言う名の右ストレートを飛ばしてくるのだ。


 更に言うなら、それはあろう事か、彼女に対して多少きついかもしれない一言を吐いただけでも駆け付け、お決まりとばかりに力技を炸裂させてくる。
 母親にそんな口を利くんじゃないと言うのが向こうの言い分だが……知らないだろうがこちらは親と思いきれていない上に、純粋に煩わしくてイラついてそんな言葉が出てしまうのだ。


 それに強制したいなら言葉で諭せばいい。暴力を初っ端から使って軌道修正など、考え方がねじくれ曲がっているとしか思えない。



 結果強引に払いのけられず、調子に乗った新たな母親が飽きるまで耐え、発散すべく格闘技の模倣技を境内そとの林で行うのだ。

 だが此処にも注意が必要だった……四つ歳の離れた自分の兄が、性格の悪いサディスト名暴君だからだ。


 日常的な菓子の取り合いならまだ可愛い方だが、彼の行動はそんな生易しいモノでは無く、親父にバレないよう慎重に狡猾に場所を選びつつ、暴力もこみで俺をイビって来る。
 年齢差や体格差もあり、足掻こうとも全く敵いはしない。しかも先に言ったがサディストな為、此方が沈んでいる時に限って執拗に虐めてくる。


 どうにも耐え
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