マブラヴ
1085話
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俺の愛機として共に幾度となく戦場を駆け抜けてきた機体だ。色々と思い入れもあるし……
「何より、うちの技術班が俺の為に作った機体だ。お前達如きが触れていいようなものじゃないんだよ!」
オルタネイティヴ5派やG弾信者が必死に作ったG弾搭載型ミサイルに触れた状態で何を言っているのかと言われれば確かにそうだが。
影槍の尖った先端が進行方向に現れたのを見た軍人はそれ以上進む事が出来なくなる。
まぁ、影精を練り込まれた影槍は、意識を吸い込むような艶やかな黒さを持つ。
そんな黒い影精で作られた槍……というか、先端が鋭利に尖っているのが顔面の前に幾つも姿を現せば、それは目を奪われるだろう。
「……さて、動きを止めたところで、そろそろこっちの用件も済ませて貰おうか」
「用件、だと?」
中将の言葉に頷き、未だに触れたままのミサイルへと視線を向け……
「収納」
短く一言だけ呟く。
だがその一言がもたらした効果は絶大と言ってもいい。
何しろ、一瞬前まで目の前にあったミサイルが綺麗さっぱりと消えてしまったのだから。
それこそ、今まで見ていたのが夢だったのではないか。そんな風に綺麗に消え去ったミサイルに、中将だけではなく影槍で動きを止められていた軍人達もまた唖然とする。
いやまぁ、確かにこれは驚いても当然だろう。
もっとも、所詮はミサイル。ジェネシスのような超巨大建造物が綺麗さっぱり消えたとかよりは大分驚きは少ないだろうが……
それでも現在俺の目の前にいる中将達は、何が起こったのか理解出来ないままに周囲へとキョロキョロ視線を巡らせる。
そして……
「ミサイル……ミサイルをどこにやった!」
最終的には、ミサイルが消える寸前まで触れていた俺に詰問が飛ぶ。
「さて、どこに行ったんだろうな。予想だけど、G弾が何らかの動作不良を起こしてブラックホールでも作り出してそこに消えてしまったんじゃないか?」
「ふざけた事を言うな! 何がブラックホールだ!」
再び銃声。
「言え! ミサイルをどこにやった! あのミサイルはお前達のようなこの世界の異分子が触っていいものではないんだぞ!」
「さて、どこに行ったんだろうな。まぁ、恐らくは今頃どことも知れない場所に存在しているんだろうが」
空間倉庫の中に存在している以上、どことも知れない場所ってのは決して間違いではない……だろう。あの空間倉庫の中身が実際はどうなっているのかなんて、使っている俺だって理解出来ていないのだから。
「とにかく、お前達が頼りにしていたミサイルはもうない。他の艦も殆どが降伏している。こうなったら、お前達に何か出来る事があると思うか? 大人しく降伏する事をお勧めするがな」
パチンッと指を鳴らして
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