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転生とらぶる
マブラヴ
1085話
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に殆ど乱れを感じさせなかったのを考えると、すぐ後ろから突入してきた特殊部隊の軍人と思われる者達と同等の速度で走ってきた事になるのか。
 ……60代で中将という階級にある割には妙に体力のある相手だ。

「それから手を離せ!」

 持っていた拳銃の銃口を俺に向けながら叫ぶ中将に、小さく肩を竦める。

「何でだ? このミサイルは俺に見られると色々と危険な物なのか?」

 心底不思議そうな表情を作って尋ねるが、中将はそれに答えずに再び叫ぶ。

「いいから、そこから離れろと言っているんだ!」

 怒声と共に銃声が聞こえ、俺のすぐ足下に着弾してそのままどこかへと跳弾する。

「おいおい、こんな場所で拳銃なんか使うなよ。跳弾してどこに弾が当たるか分からないだろ? このミサイルに命中したりすれば、お前も困るだろ?」

 自分の足下に拳銃を撃ったのに、俺が全く怯えた様子がないのが気にくわないのだろう。俺に向かって再び怒鳴りつける。

「いいから、そのミサイルから離れろと言っているんだ! 次は身体に当てるぞ!」

 うん? 今までの言動を見て疑問に思っていたんだが……もしかしてこいつ、俺に対して物理攻撃では効果がないってのを知らないのか?
 確かにこっちの秘密は色々と明らかにしていないが、その辺の事はシャドウミラーの情報を集めれば手に入れるのは難しくないだろうに。
 まぁ、いい。それよりも……

「おい、お前。ニーズヘッグに妙な真似をしようとするなよ」

 中将が連れてきた軍人達の中の一人がニーズヘッグの方へジリジリと動いているのを見てそう告げ、同時に指をパチンッと鳴らす。
 次の瞬間には俺の影から何本もの影槍が生み出され、ニーズヘッグへと近づこうとしていた軍人の目の前でピタリと止まる。
 ……まぁ、分からないではない。ニーズヘッグはシャドウミラーのフラッグシップにして、最強の戦力。ニヴルヘイムと同じく象徴的な存在と言ってもいい。
 正直、G弾とニーズヘッグのどちらを選ぶかと言われれば、その辺の事に詳しい人物なら間違いなくニーズヘッグを選ぶだろう。
 そもそも、ニーズヘッグに使われている技術はG弾とは比べものにならない程に高いのだから。
 まぁ、それでもニーズヘッグを入手出来るかと言われれば、答えは否でしかない。
 俺自身がこうして立ち塞がっている時点で既に詰んでいるし、もし俺をどうにかしたとしても、ニーズヘッグには念動力による搭乗者識別機能がついている。
 シャドウミラーのフラッグシップ機にして最強の戦力なのだから、その辺は当然だろう。どうあっても奴等がニーズヘッグを手に入れる事は出来ない。
 だが、手に入れられないからといって、奴等の汚い手でニーズヘッグに触れられるのが嬉しいかと言われれば当然答えは否だ。
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