それはある日突然に
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男の方は微笑し、静かに槍を無銘へと向ける。
「へぇ、お客さんかい……どうやら捕まえに来たと見える……黒帯の方。テメェ、いきなりガンガン殺気飛ばしてきやがってどういうつもりだ?」
「ハッ、君たちを捕まえに来たということさ。まぁ……『事故』として処理してしまった方が個人的には楽だがね」
「始めから殺る気満々かい。まぁ、こっちもテメェに用があったんだがな、無銘の『正義の味方』さんよ。……下がりな、シロ」
「了解」
淡々と答えた白髪の少女は背中を向けて走り出した。
「行け、少年。彼女を捕獲しろ」
鉄平はその言葉に反応して走り出す。のだが――――――――――――――
「行かせねぇよ」
静かに男が牙をむいた。鉄平の目の前には槍の穂先が向き、こめかみの真ん中丁度に無銘によって止められていた。
「……無銘さん、ここはお任せします!」
鉄平がシロと呼ばれた少女を追いかけるために猛烈な速度で走りだした。
「いきなりか、槍兵」
「いやぁ?テメェの力を試そうと思ってな。じゃ、それ返してもらうぜ」
男が消える。無銘が動く。すでに男は無銘の背後に回り、槍を奪い去っていた。
「さて……はじめようや」
槍が構えられ、一気に前に突き出される。それを無銘は何処からかスぺツナヅナイフを取り出して弾いた。だが、弾くと同時にナイフは粉々に砕け散った。
「……!ほう」
「おい、俺の槍についてきたんだ。その程度じゃねぇだろう?」
「そうか……ではこちらも使おう」
無銘が消える。無銘は一瞬で槍兵の背後へまわり、二刀の剣を叩きつける。
「へぇ、剣か。それがテメェの得物かッ!!」
神速の突き。乱雑に繰り出されているようだが、これらは全て人体急所を狙っている。
対して無銘は剣でそれらをすべて弾く。再び剣が割れる。しかし、槍兵の突きは止まらない。だが無銘はさらに剣を出してみせる。
「なに……?」
違和感を感じた槍兵は無銘の背後に注目した。そこに広がるのは無数の剣達。槍兵はそれを見て無銘の異能を予測した。
異能が分かれば話は早い。対策を練ろうと下がろうとする槍兵だったが、突如下から発生した力によって槍が上に傾くのを感じた。
「なんだ!?」
槍を下げると同時に自身も後ろに下がる。しかし無銘はまた新たに剣を装備し連撃を叩き込む―――――――のだが少々おかしい。
(一撃が重すぎる……ッ!!)
先ほどの剣は神速の突きを防いだ後に砕けたが、ここまでの重さはなかった。しかし、どうしたことだろう。剣が一撃でくだけている代わり、とてつもなく一撃の重みが上昇しているのである。
「受け取れ」
槍兵が構えた槍を、無銘
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