解かれる結び目 1
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それでいて、レゾネクトには奪われてなかったというなら。
マリアが傷だらけになった理由は、アリアとの戦闘じゃない。
アリアとマリアは敵対関係じゃない。筈。
正確じゃなくてもいい。この日の前後に記された内容をよく思い出して、俺自身の記憶と照らし合わせろ。
時期や環境や情勢、世界的に共通する何かはなかったか?
この日付は、いつ頃だった?
…………アルフリード達が吹っ飛んだ、『後』。
アリアが女神として現れる『前』だ。
異空間から戻った傷だらけのマリアを、堕天使が介抱し。
作り上げた『扉』と『鍵』、マリアの意志の欠片を、表舞台へ上がる前のアリアに託して、マリアの本体はどこかへ消えた。
ここに居るマリアは、アリアとレゾネクトが契約を交わしていることを、まったく知らなかった。
『鍵』を残すまで、アリアとレゾネクトの接触はなかったんだろう。
つまり、なんだ?
悪魔狩りを始める前のアリアは、マリアの傍に居たのか。
敵対関係でもなく、渡された『鍵』を手離す程度の関係?
いや、『鍵』は「残らなかった」と言った。
「手離してしまった」とは言ってない。
『鍵』が手元を離れたのは、アリアの本意じゃないのか?
そもそも。
物品を手渡しできる近距離に居たんなら、仕掛けなんぞ作るまでもなく、その場で神々が眠る世界へ送り出せば良いだけの話だ。
そうできない理由があった?
だとしたら…………
…………………………
………………………………っ
……………………………………っっ
「…………っだあああああもお! 面倒くせえええぇ!! 頭を働かせるのはクロスツェルの役目だろうが、あんのエセ神父!! テメェの非力を利用してなんでもかんでも都合良く俺に押し付けやがって!!」
突然叫び出す俺に、キョトンとするフィレス。
そもそも、お前らがくどい言い回しをするから悪い!
「協力!? 知るか!! 俺はロザリアを取り戻せれば他のことなんざどうでもいいんだよ! アリアと会う為に必要なら、いくらでも共闘してやるッ! だから! わざと要点をぼかして誤魔化そうとするんじゃねえ! きっぱりはっきりすっきり一言で答えろ!」
「はあ」
「まず最初に、アンタ! 人間上がりの女神だってのは解った! 俺の足を縛ってるのは何だ!」
フィレスは指先で頬を掻いて、うーん……と唸る。
「何だと言われても、言葉としか言いようがありません。アーレストさんやエルフの長様によれば『言霊』というそうです。それが私の力なのだとか」
「よし! 今イチ解らんが、次ッ! お前とレゾネクトはどうしてこっちの世界に居るんだ、聖天女!」
手のひらに乗せたリースリンデ
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