間章 ヴァンパイアの花嫁編
吸血衝動
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ってるのか?だからソーニャに復讐なんて…。」
俺は黙ってマスターお手製のオレンジジュースを飲む。流石に朝から酒は飲めない。
俺はその問いかけに黙っているとゼツは。
「…それで。どうするんだ。これから?」
「とりあえず…次の目標はこの街の北にある暗黒街を目指す。」
それを聞いてゼツは首を傾げる。
「なんで暗黒街なんだ?あそこは随分昔にゴーストタウンになって人なんていないぞ?あそこに行っても…」
「…。」
「これは?」
俺はとある紙をゼツに渡す。その紙の内容を見てゼツは目を細めた。
フォルツ・レープリカへ。
暗黒街に来なさい。私は逃げも隠れも致しませんよ?
〜ソーニャ・エクス・マキナ〜
「…罠ではないな。」
ゼツははあ、とため息を吐いて手紙を見る。
「ソーニャはいつも真正面から敵の得意な土台にって叩き潰す奴だ。おそらく暗黒街に行けばソーニャはいるだろう。
…あの眠そうな表情で。」
「…。」
「だが、その後どうする?」
ゼツは再びウイスキーに口をつけると少しきつい表情で俺を見る。
「…奴を倒す。」
「出来たら苦労しな…」
「あいつは以前の様な力はない。」
ゼツの言葉を遮って俺は無表情で淡々と話す。
「あいつは…。今、力の半分も使えないはずだ。」
「…。」
「そこに勝機がある。」
ガタッ
ゼツはいきなりフォルツのコートの襟元を掴む。それは半ヴァンパイアのフォルツでも反応出来ない速度だった。
そしてゼツは怒りの形相で俺を睨みつける。
「いい加減にしろよ…。フォルツ。」
「何が。」
「お前…吸血衝動がまた来てるんだろ。昨日…ニナが言ってたんだよ。トランスをしたら数日は半ヴァンパイアでも吸血衝動が続くって。
そんな状態でも勝てるのか?」
「…。」
そう、今の俺は血を飲みたくてたまらない。今にもゼツがグールになってもいいから襲いたいぐらいだ。
飲みたくて飲みたくて飲みたくてたまらない。
あの元気なランを押し倒して無理やりでもいいからその血を飲みたい。
リナでもいい。殺す一歩手前でもいいからあの清楚なリナを滅茶滅茶にして血を吸いたい。
そんな事を考えていると不意にアリスの顔が思い浮かんだ。
あの血は美味しかった。ランやリナの血も美味いけど、あのアリスの白い首元を噛んで血を吸ったらどれだけ幸せなのだろか。
そういえば当分この街に滞在しているってニナが言っていた。
…あの娘の血を飲みたい。
「おい!フォルツ!フォルツ!」
はっと気付くと俺の身体の力が抜け俺の目が熱くなっていた。
…ヴァンパイアの瞳が出かかっていた。その証拠にゼツの後ろにあったワインボトルに移る俺の目が紅く輝いて
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