マブラヴ
1084話
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大統領の命令もなしに暴走した事実をどうとでも出来る力、か。
シャドウミラーならともかく、このマブラヴ世界でそう言われるだけの力となれば、それが何かは考えるまでもない。
戦術機? まさか。確かにこの時代の兵器としてはオーパーツ並に高性能の兵器だが、それにしたってあくまでも時代に対してってだけで、シャドウミラーの中でも最低性能の人型兵器、リオン……そしてSEED世界から大量に入手した、ストライクの量産型の簡易型とも言えるストライクダガー、ギアス世界のKMFであるヴィンセントやガレスといった機体と比べても圧倒的に低い。
ガン・ルゥ相手ならある程度有利に戦えるかもしれないが……所詮はその程度でしかない。
となると、戦車? 戦闘機? それにしたって格別戦術機よりも強力な訳ではなく、少なくても映像モニタに映し出されている中将が言うように、暴走をどうにか出来るだけの威力を持った兵器とは言えないだろう。
となると……やっぱり持ってるな? G弾。
ビルから要請があったとは言っても、俺自身はそこまで本気でこの艦隊にG弾が配備されているとは思っていなかった。
G弾というのは、その性能に色々と問題があるとしても、本来ならBETAに対する為の武器として開発された兵器だった筈だ。
それが……よりにもよって最初に使われるのがBETAではなく、幾ら潜在的な敵だとしても同じ人類だというのは、色々な意味で致命的だ。
特にG弾に対するイメージそのものが失墜するし、更にはそれを行ったアメリカに対する世界中の反感も物凄い事になるのは間違いない。
以前までのこの世界であれば、それでもアメリカは自分達の国力でそんな反感を押し殺せただろう。事実、俺達がこの世界に来るまで世界を支えていたのは圧倒的な国力を誇るアメリカだったのは間違いのない事実なのだから。
しかし……その一国独裁とでも言えるマブラヴ世界の情勢は、変わってしまった。
俺達がオーストラリアを始めとした国々に技術的なテコ入れをし、戦術機よりも安く、それでいて高性能な兵器を大量に輸入した。
イギリスにいたっては、ガン・ルゥのライセンス生産すら始め、それを機にガン・ルゥのライセンス生産は世界中に広がっていった。
それを行えるようになったのも、イギリスがガン・ルゥに使うユグドラシルドライヴに代わる小型バッテリーを開発したおかげだ。
シャドウミラーから得られた技術や、輸入した兵器を解析して得た技術。それらのおかげで他の国々も急激に国力を増しており、今はまだアメリカがこの世界で最大の国力を持った国ではあるが、それも遠くない将来には他の国々と拮抗する事になるだろう。
そんな風に追いつけ追い越せとばかりに、後ろから他の国々が迫ってきている状況だ。とてもG弾を人類に使った件をどうにか出来る筈もない。
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