マブラヴ
1084話
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ビルもそんな最悪の未来を危惧したからこそ、全てのG元素やG弾、それに纏わる資料やデータを全て俺達に提供してでもこの件をどうにかしようとしたのだろう。
「G弾は使わせる訳にはいかないな」
『っ!?』
まさかG弾の事を知られているとは思わなかったのか、映像モニタに映し出された中将の表情が目に見えて固くなる。
だが、次の瞬間には目に蔑みの色を浮かべて口を開く。……いや、叫ぶ。
『ふんっ、G弾の威力がどれ程のものかを知っていながら儂の前に立ち塞がるか。幾らシャドウミラーと言えども、我が国で開発されたG弾に掛かれば、どうという事はない! そもそも、お前等がこの世界に来た時から全てはおかしくなったのだ! お前等のような存在がいなければ……』
なるほど。どういう勢力が今回の件を仕組んだのか分からなかったが、今の台詞と表情を聞いて理解した。G弾信者。恐らくこれが今回の件を引き起こした者達の正体だろう。
この男の口から出たG弾に対する過剰なまでの信頼は、俺が見てきたG弾信者特有のものだ。
そう考えれば、確かに今回の件を引き起こしたのも理解出来る。
このG弾信者達は、現状を理解出来ない……いや、受け入れたくなかったのだ。
自分達が必死に開発してきたG弾。上手くいけばアメリカをこの世界の覇者とするだけの力を持つその兵器は、シャドウミラーの登場によって一気に無用の長物と化した。
これが、ただ威力が高いだけの爆弾……それこそ、戦術機での自決用やハイヴの動力炉破壊用として使われているS-11のようなものであれば、話は別だっただろう。
だがG弾は周辺に恒久的な重力異常を起こすという致命的な欠点がある。
それを考えれば、G弾を使わずにハイヴを攻略出来る今の状況をこの世界の者――G弾信者を除く――が選ぶのは当然だったのだろう。
だからこそ、それを我慢出来ずに今回の件を引き起こした。そういう事か。
……うん? 今、一瞬……
待て。待て待て待て。
もしも今回の件でG弾の威力を周囲の者達へと見せつけたとして、それからどうする?
こんな真似をした以上はG弾信者達にしても、テロリストや反逆者扱いされるのは既に決定済みだ。そんな状況でどうする?
幾らG弾があっても、結局俺達シャドウミラーに対してどうにか出来る訳でもない。それこそ、こっちにはG弾以上の破壊力とクリーンな兵器でもあるフレイヤが存在しており、更にそれを量産するのも難しくはない。
それを思えば……つまり、こんな真似を引き起こしてもどうにかするだけの目算がある、という事か?
けど、それは何だ?
一瞬脳裏を過ぎったのは、SEED世界のブルーコスモスやロゴスだが、既にあの組織にそれだけの実力はない。
それ以前に、ゲートの使用すら許可していないん
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