第3章 リーザス陥落
第42話 利用する者とされる者
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」
出てきたところで、ユーリとクルックーは殆ど同時に気がついていた。
2人の目があったようだ。
「きゅっ!! きゅーきゅー! ぷーぴー!」
トローチ先生は、相変わらずであり、クルックーと2人の時は饒舌で毒舌なのに、誰かとあえばあっという間に、変な生物だと印象させようと何も話さなくなる。
「ユーリ。どうも、奇遇ですね」
「そうだな。マルグリッドであった以来か。なんでまたこんな所に?」
「いえ、カイズの街に帰る最中の時に、彼らと出会いまして。色々と相談を受けました」
「なるほど……、それが、AL教の神官の正しい姿なのかもしれないな……」
ユーリは、ロゼの事が最初に頭に浮かび……神官がそんな事、する訳無いとか、勝手に決めつけていたが、例外中に例外だけを頭に浮かべて決め付けるのは愚の骨頂であろうと改めていた。クルックーに関しては、色々と欠如しているような感じ(迷宮で襲われていた、危険だったのにも関わらずに平常心だったり)がしていたが、それを省けば真面目な性格だとも思えていたのだ。
「(……クルックーがたった一回会っただけの男を覚えているのは珍しいな……、)」
トローチは、ユーリとクルックーの2人を交互に見てそう感じていた。クルックーは、割とどうでもいい相手は、直ぐに記憶を消去する傾向にあるのだから。
「あの……知り合いですか?」
かなみは、くないをまだ構えたままユーリにそう聞いていた。
警戒は一応していたのだが、ユーリが警戒を解いているのを確認すると、僅かだが緩めたのだ。…武器だけはまだ収めていないが。
「ああ、すまない、混乱をさせてしまったな。彼女は《クルックー》。以前マルグリッド迷宮で一緒に戦った事があるAL教の神官だ。武器を下ろしても大丈夫だ」
「はい。クルックー・モフスといいます」
ユーリの説明で頭を下げたクルックー。かなみは、訝しんでいたが、とりあえずくないを仕舞うと、ユーリを見る。
「(また……女の子だ………)」
ユーリを見たのは一瞬。
直ぐに顔を反らせた。ヒトミちゃんが言ってたことは確かに間違いなさそうだと改めてかなみは思っていた。
「それで? あのリス。ウー? だったか。それと彼女の件だけど」
「はい。見習いですが、私も出来ますので司祭として挙式を行いましたが」
「親御さんが、攫われたから助け出して欲しいと言う依頼でここに来たんだが、それは知ってたのか?」
「? いいえ。本人達から聞いていたモノとは違いますね、死に別れたと聞いていましたが」
……親をも死んだ事にするのかと、この時皆が思ってしまったのは言うまでもないだろう。裏を返せばそれだけ真剣なのだという事。それに、正直に言ったら 拒否されるだろうけど。
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