暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第42話 利用する者とされる者
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!」

 物凄く伸ばしに伸ばした『あっかんべー』だ。あまりに伸ばしているから、本当にそう言っているのか、判らなく成る程の。

「……あっかんべー?」
「みたい、ですね」

 かろうじて聞き取れたユーリとかなみ。ランスは、なぜ言われるのか判らないらしく。割と本気で困惑していた。

「私達は、れっきとした恋人よ!!」
「ローラ。危ないよ。君は家に戻っていて。こいつらは僕がどうにかするから」
「ウー君………大丈夫……?」
「大丈夫だよ。ローラは何も心配しないで」
「う、うん……。怪我、怪我だけはしないでね」
「平気さ。さぁ、早く!」

 ローラは、奥の扉の中へと逃げるように去っていった。
 そして、扉の前にはリスがどっしりと構えている。『彼女を攫うつもりなら自分が許さない』と言わんばかりだ。これじゃ、どっちが悪役なのかわからない。

「ランス様。私達が悪役になってしまいますy“ぽかっ!!”ひんっ!」
「だから、それが片腹痛いと言うのだ! さっさと、経験値にして ローラを連れ帰れば万事解決だ! おい、リス、ウー! 経験値にされたくないのなら、さっさとローラを引き渡せ!」
「断る! 僕たちは、僕たちの愛は、神の祝福を受けたんだ。それで一緒になったのに、それを邪魔するなっ!!」
「……神の祝福?」

 ユーリは、頭を傾げた。

――……モンスターと人間の婚儀をしたとして、神官が結婚宣言なんてするのだろうか? と疑問に思ったのだ。

 ……そもそも、ユーリは長く冒険者をしているが、こんなケースはこれまでに無かったと言っていいだろう。比較的人間に近い女の子モンスターとならまだしも、その逆は本当に希も希だと思える。心情的に。 女の子モンスターは、それなりに人気も高いのだ。……中では 強いモンスターもいるから、妄りに一般人が手を出していい様な相手ではないが。

「ああ、そうだ! 神官様が僕たちの事を祝福してくれたんだ! そんな僕たちの仲を引き裂こうとするなんて、悪魔がする事だっ!!」
「がーっはっはっは! モンスターが何を言うかと思えば、それは面白いジョークだな? そのジョークに免じて、即刻経験値にするのは止めてやろう。笑わさせてくれた礼だ! さぁ、とっととローラを渡せ!」

 ランスは、そう言うが決して頷くことは無く、どっしりと構えているリス。

「まぁ、悪魔は魂を持っていこうとするからな……リスにとっての魂と言うか、大切な人を捕ろうとしてるのはオレ達か。……だがまぁ、依頼は依頼だ」
「そうですよ。ユーリさん。……でも、モンスターとの結婚式をしてくれる神官がいるなんて思ってもいませんでした」
「……ん、ひとり浮かんだが、てきとーに、『面白そうだからやろう!』 って勢いで。だけど、その為に、ここに来るよう
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