第3章 リーザス陥落
第42話 利用する者とされる者
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だ。
そして、更に奥へと向かうと 声が鮮明に聞こえてきた。
……助けに行けるような雰囲気ではない会話が辺りに響いていた。
「ローラ、君のためなら、僕はどんな事でもするよ」
「うれしい、ウー君が、いつも傍にいてくれたら、私はそれだけでも、満足、だから……」
「ローラ……君はなんて可愛いんだ。いつか、きっと 人とモンスターの仲が認めてもらえる時代がきっとくる。……それまでの辛抱だよ」
「うん。それに、ウー君はとっても素敵だから、皆 皆 直ぐにわかってくれるわ! だって、こんなに、こんなに素敵だもん。私、ウー君の事 愛してる」
「僕もだよ。ローラ……」
それは、互いの想いを、愛を囁き合っている2人の姿だった。
確かに形体は人間と異形の者。
だけど、真剣に愛し合っていると言う事は女性の方の言葉でよくわかると言うものだ。だが、これは想定はまるでしていなかった。
「助けに……行ける空気じゃないな。捕らわれた、攫われたと聞いていたが……。それに さっきの看板は、多分、ローラが建てたんだろうな……。愛の巣〜は兎も角、セールス、押し売りとか、リスが判るとは思えない」
「で、でしたね。ユーリさん。……どう見ても愛し合っています。 ……あの2人」
「はい……。(私もランス様にああ言ってもらえればどれだけ……)」
「……ん? あ……(シィルちゃん、自分に置き換えてるみたい。ああ、でもああ言うのってすっごく憧れるかも……愛さえあれば関係ないって)」
シィルとかなみは、最終的には どこかうっとりとした表情で2人を見ていたが……。
「リスの分際で人間の女と愛し合うなど2億年早いわ! 全ての美女、美少女はオレ様のものだと決まっておるのだ!!」
ランスはお構いなく、そう叫んでいた。勿論、あの2人にも充分聞こえる声量だ。
「……ん? どうやら、僕達の愛を引き裂こうとする邪魔者が来たみたいだ」
「えっ?」
ローラも気がついた様で、外の方を向いていた。そこで目にするのは大口開けて哂っているランス。
「がははは! モンスターが、恋だの愛だの、片腹痛いわ! さぁ、ローラ! オレ様と真実の愛を語り合おうではないか、その身体で!」
ぐっと、ポーズを決めるランス。それを見たローラは……。
「はぁぁぁぁぁ!!?」
大絶叫。『何言ってんだコイツ?』と『フザけた事抜かすんじゃねぇ!』が混ざった様な感じだった。
「がははは。そんなに怖かったのだな。よしよし、オレ様が慰めてやろう!」
ランスの耳には、そう聞こえたらしい。……いつも通り ポジティブシンキングだと言う事だ。或いは、脳内変換をしているのかもしれないが。
「あっっっっ―――――っっっっかん、べーーーーッ!
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