第3章 リーザス陥落
第42話 利用する者とされる者
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「ふん、うじうじと情けない奴だな。そんなにローラってコと一緒になりたかったら人間になって来い」
「え……?」
「んな、無茶を言うなよランス」
「いえ、不可能ではないですよ」
「へ?」
いつもどおりの根拠のないランスの言葉に反応するリスと、突っ込むユーリ。そして、何よりクルックーの言葉に皆が一同に注目した。
「ええ、確か何処だったでしょうか……、いえ、正確な位置は分かっていませんが、《転生の壺》の中にある水に自身の血を混ぜ 転生するモノ。即ちリスさんなら人間ですね。人間を思い浮かべながら飲めば 人間に転生出来ます。ただ、バランスブレイカーなので、回収対象に入ってますから、私が先に見つけたらAL教で回収させていただきますが」
「……そんなアイテムがあったのか。結構長く冒険者をしているが、それは初耳だな。性転換の神殿がJAPANのどこかにあるとは聞いた事があるが……、種族までは知らなかった」
ユーリが目を丸めていたその時。
「がーーっはっはっは! そんな事も知らなかったのか? ユーリ。これだからガキは無知で困る。きょうびスライムですら人間になれる時代なんだぞ? 愛と根性があれば、問題ないのだ。そもそも、本気で愛していると言うのならそれくらいの事はしろ」
「誰がガキだ! お前はてきとーに言っただけだろ!?」
「……わかった」
「って、貴方、あれだけの情報で本気で探すつもりなの??」
かなみは、ウーの即決を聞いて思わず声を上げた。だが、ウーの決意は固いようだ。
「僕だって男だ。愛したローラのためだったらそれくらい、なんでもないさ! 絶対に見つけてみせる!」
「……素敵です。ウーさん。頑張ってくださいね」
「ありがとう。人間は嫌な奴が多いって思ってた。ローラに出会ってもやっぱりどこかでそう強く思ってた。でも、それは間違いだったんだ。皆さんのおかげで、何が正しいのか、そして、どうすれば良いのかがよくわかりました」
「がははは。感謝されてもこれっぽっちも嬉しくないが、オレ様は超英雄だからな! 人間だろうが怪物だろうが、救ってしまうのだ。こればかりは仕様がない事だ」
ランスは相変わらずの態度だが、リスの目はランスを尊敬すらしている目になっている。あの一言で、見る目が変わったらしい。
「きっと、人間になって戻ってくる!」
そう言うと、リスはあっという間にこの場からいなくなってしまった。
「……これで、良かった、のか?」
「とりあえずは、良かったんじゃないでしょうか? このままだと、愛が成就されるのはやはり難しいですし」
「それもそうだな。ローラも彼のことを信じていつまでも待つ。うん。互いに愛しているのが嘘偽りが無ければ、乗り越えられるだろ」
「はい……そうです、ね」
「そ
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