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ドリトル先生と森の狼達
第十二幕その四

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「それからですね」
「ニホンオオカミの生存を公表しましょう」
 学園長さんは園長さんに応えました。
「公表してすぐに法律で彼等を守れる様にしましょう」
「では」
「はい、そしてネットでも危険人物の悪事や関係を暴露して」
「動けなくしておきましょう」
 勿論最後の手段であるニホンオオカミさん達に害を為した場合への告発と糾弾のことも用意してでした。
 先生達はニホンオオカミさんの好評を行うことに決めました、そうしたことを全て整えてそうしてなのでした。
 学園長さんとのお話を終えてでした、先生達は学園長さんのお部屋を後にしました。そして先生は園長さんと日笠さんを動物園に送るのでした。
 そしてです、先生はこうも言いました。
「これで万全ですね」
「はい、ここまでしないと」
「守れないのですね」
「稀少な動物は」
 先生はこのことについて考えてでした。
 そしてです、前を見てこんなことも言いました。
「法律もあって」
「そしてですね」
「ネットも使って」
「都市伝説の類も流布させて」
「そこまでしないとならないですね」
「そうですね、僕もです」
 ここでまた言った先生でした。
「今回のことでわかりました」
「稀少動物の保護の難しさ」
「そのことがですね」
「本当にわかりました、非常に難しいですね」
「何しろ絶滅した動物は多いです」
「それも現在進行形で」
 二人のお顔はここで暗いものになりました。
「ふとした不注意で絶滅してしまった動物も多いですね」
「ドードーやステラーカイギュウもそうでしたね」
「悲しい歴史ですね、人の手によって。ただ」
「ただ?」
「ただといいますと」
「そうした動物を守るのも人ですね」 
 先生はここでお二人にこうも言ったのでした。
「そうですね」
「確かに。法整備やインターネットでの告発も」
「そうしたことは人の手によるものです」
「人が動物を絶滅させそれと共に守る」
「両者は両立していますね」
「不思議なものですね」
 そこに矛盾も感じて言う先生でした。
「人間が害を為し人間が守る」
「しかも文明がですね」
「そうさせますね」
「文明は生きものを滅ぼしかつ守りますか」
 先生は少しお顔を俯けさせても言いました。
「本当に矛盾しますね、いえ」
「いえ?」
「いえといいますと」
「人間は善でもあり悪でもあり」
 そしてというのです。
「文明もまた然りということですね」
「心の持ち方、使い方次第」
「それで善にもなり悪にもなる」
「生きものを絶滅させもするし守りもする」
「そうなるものなのですね」
「そうですね、人も文明も善でもあり悪でもある」 
 先生はこうも言ったのでした。
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