3部分:第三章
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そのうえでその身体を撫でて言うのでした。
「凄く可愛いわよ」
「こっちのシャム猫は奇麗だしね」
シャム猫は壁の上にいました。そこから二人を見下ろしています。明人はそのシャム猫を見ているのです。
「まさかここに集まってるなんて」
「最後の最後まで。楽しかったわね」
「うん、こんなこともあるんだね」
明人は明るい言葉で言いました。
「本当にね」
「ねえお兄ちゃん」
春音は相変わらず猫を撫でています。
「またこの道。入る?」
「どうかな。一回だからいいんじゃないかな」
「一回だからなの」
「ビー球とかカードとか滅多に手に入らないよ」
こう妹に話すのです。明人も足元にいる子猫の頭を撫でています。
「たまたまだろうし」
「たまたまなの」
「うん、けれど楽しかったね」
このことはしっかりと言うのでした。
「とてもね。楽しかったよね」
「うん、とてもね」
春音はにこやかに笑って答えました。
「私こんな楽しかったこと久し振りよ」
「けれどもっと楽しくなることも出来るよ」
「もっとなの?」
「皆のいる公園に行こう」
妹をこう言って誘うのでした。
「公園にね」
「うん、じゃあ」
二人は猫達の見送りを受けて公園に向かいました。何気に入ったその路地裏で思わぬ冒険をしてそのことに満足しながら。明るい公園に入るのでした。
路地裏 完
2010・5・4
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