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機動戦士ガンダムSEED PHOENIX
PHASE-03 予兆の砲火
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Sシステムなんだそうですよ。私にはあまり、専門的なことはわかりませんがね…しかし、やはり姫にはお気に召しませんか?」

「…議長は嬉しそうだな」

「嬉しい、というわけではありませんが…あの混乱の中から皆で懸命に頑張り、ようやくここまでの力を持つことができたということは、やはり…」

「…疲れた。争いが無くならぬから力が必要だとおっしゃったな、議長は。だが、ではこの度のことはどうお考えになる!?あのたった三機の新型MSのために、貴国が被ったあの被害のことは!?」

「代表…!」

アスランは止めにかかるが、カガリは耳を貸そうとしない。

「…だから、力など持つべきではないのだと?」

「そもそもなぜ必要なのだ!そんなものが、今更!」

その会話を聞いていたシンが拳を握りしめる。それでもおさまらず、怒りで全身が震え始める。

「我々は誓ったはずだ!もう悲劇は繰り返さない、互いに手を取って歩む道を選ぶと!」

「それは…しかし姫…」

「さすがキレイごとは、アスハのお家芸だな!!!」

「シン!!」

シンは振り向き、眼力でカガリを射殺さんばかりに睨みつけると、まわりの静止を振り切りインパルスへと行ってしまった。睨みつけられたカガリは、怒りに染め上った真紅の瞳を受けて、何一つ身動きできなった。

カガリは、なにもわかっていない。ヤキン戦役は、”互いの合意のもとに終わった”のではなく、ほかならぬ三隻同盟が”無理やり終わらせた”のであって、コーディネーターの選民意識や、ナチュラルが感じている劣等感と排除への恐怖など、戦争が起こった原因については何一つ解決していないのだ。さらにユニウス条約も、プラントに対して圧倒的不利な内容であったのだから、近いうちにまた新たな戦争が起こるであろうことは、見る目を持つ人間からすれば火を見るよりも明らかなのである。

『敵艦捕捉、コンディションレッド発令!パイロットは搭乗機へ!』

そこへメイリンから艦全体に向けて放送が入る。

「最終チェック急げ!始まるぞ!」

デッキが途端に慌ただしさを増した。

「申しわけありません!この処分は後程必ず!」

シンを掴み上げようとしたレイだったが、放送を受けて自分のザクへと急いで向かう。

「本当に申し訳ない、姫。彼はオーブからの移住者でして、よもやあんなことを言うとは思いもしなかったのですが…」

「えっ…」

カガリの瞳には、困惑の色が浮かんでいた。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「やはり来ましたか」

「ああ。ザフトもそう寝ぼけてはいないということだ」

ミネルバがガーティ・ルーを捕捉したころ、ガーティ・ルーでもミネルバの接近を確認、コンディションレッドに移行していた。
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