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逆さの砂時計
向かう先は
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私が探知できる範囲は、とても狭い。翼があれば世界中どこでも行けたのに。あるいは、アリアが私の羽根を持っていれば、フィレス様がそうして私に辿り着いたように、引き合う力で跳べると思うのですが」

 アリアに羽根を持たせれば、彼女の許へ直接跳べる。
 アリアとマリアが対面できれば、彼女を導きやすくなる。
 しかし。
 なんとかしてアリアに羽根を送り届けるまでと、アリア本人を捜し出して接触するまでとに、どれほどの時間差があるのか。

「地道に捜すほうが無難ですね。行きましょう。行動は早いほうが良い」
「ええ。まずは、私より本体に近しいその羽根に委ねます。弱っていても、思念でしかない私よりは、確実に必要な場所を選んでくれるでしょう。私は貴女が持っている羽根を追いますので、先導をお願いします」
「分かりました」

 フィレスは目蓋を閉じて、再び羽根を握る。
 マリアが実体を持って動けるようになったからか。
 今度は別の場所に移動したらしい。
 一歩退いたマリアを残して、彼女は廃墟を去った。

 マリアも、その場に屈んで石床を撫で。
 フィレスの羽根を目指し、空間を跳んだ。



「……というわけで、その後にお邪魔した世界樹の根元で、エルフの長様に頭を下げられ、世界の現状や貴方達の記憶を拝見した直後に、水鏡の泉(ここ)へと跳んできました。貴方達の行いに対しても思うところは多々あるのですが、私達の意見は、ただ一つ」

 子供姿の聖天女マリアにしがみついて泣き喚くリースリンデの横で。
 フィレスは俺に、深々と頭を下げた。

「一刻と言わず、可能な限り一分でも一秒でも速く、レゾネクトとアリアを引き剥がしたい。私達に協力してください、ベゼドラさん」



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