暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
マブラヴ
1083話
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向かって落ちていく。
 コックピットのある胸部ではなく腰を攻撃したのは、パイロットを殺さない為のせめてもの情けだ。
 そんな風に俺が戦いとも呼べない戦いを続けている間も、軍艦の方は次々と武器を失い、損傷を増やしていく。
 正直、このままここを何とか潜り抜けたとしても、ソ連との戦いには参加出来ないだろう。
 そういう意味では、この時点でビルとの約束は果たした事になる。
 もっとも、G弾があるとすれば何を考えるか分からない。それに、結局はこの一連の騒動を誰が起こしたのかという情報を得る為にも、今は出来るだけ多くの捕虜を取りたいという思いもある。

「スレイ、ムウ、イザーク。そっちの方はどうだ?」

 ニーズヘッグの周囲を囲みつつ放ってくる36mmの突撃砲を回避しつつ、スレイ達へと通信を送る。
 確かに強敵を包囲して逃がさないようにしながら攻撃するというのは正しい選択肢だが……それには大前提となる部分が間違っていた。
 そもそも、包囲しつつ攻撃してもその攻撃の全てがニーズヘッグの一番外側にあるバリアのEフィールドですら突破出来ないのでは意味がないし、それ以前に攻撃自体がニーズヘッグの機動力によって殆ど回避されている状況だ。
 マシンガンのように無数の弾丸を放つ攻撃を回避し続けるというのは、普通なら出来る事ではない。
 だが……機体のほぼ全てがT-LINKフレームによって作られているこのニーズヘッグは、文字通り俺の意思通りに動く。
 そして俺自身のパイロットとしての操縦技術は、長年の戦場経験とPPによるステータスアップにより、とてもその辺の一般パイロットとは言えないものになっている。
 そんな俺が動かすニーズヘッグだ。当然向こうの放つ攻撃を全て回避する程度はそう難しい話ではない。
 同時に、包囲してはいても結局はF-18だ。そうである以上、包囲網を食い破るのは俺とニーズヘッグにとってそう難しい話ではない。
 その結果……

「1機、2機、3機、4機、5機、6機……ええい、面倒臭い。10機、15機、18機!」

 ヒュドラのビーム砲で手足を破壊されて海上へと落ちていくF-18。そこから抜け出そうとする俺に、それをさせじと攻撃を仕掛けてくる戦術機部隊だが、ファントムが機先を制するかのように攻撃し、相手を撃墜していく。
 こっちに攻めて来た戦術機の数が加速度的に減っていき……

「これで、ラスト!」

 最後の1機を、ヒュドラのビームサーベルで腰から上下2つの分断して撃破する。
 艦隊から出撃してきた敵戦術機はパイロットを殺さずに全て破壊した。
 軍艦の方は……と視線を向ければ、そちらもまた既に武器の殆どを破壊されて戦闘能力は皆無となっている。

「全機、相手に死者は?」
『俺がそんなドジを踏むように思うか!?
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