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英雄は誰がために立つ
Life15 続行決定
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掛けて投擲した。
 しかしKraは、自身に直撃する寸前に慌てることなく右手の親指と人差し指で切っ先を瞬時に掴んで、明後日の空へ放り投げると言う神業で軽くあしらった。
 それを改めて見せつけられた気絶していない神の子を見張る者(グリゴリ)の面々は、様々に驚き慄く。

 「この化けモンがっ!」
 「堕天使の長である君に言われたくはないな。それと、追って来ると言うのであれば相応の覚悟をするのだな?面倒なので追跡者は悉く滅ぼすので宜しく」
 『・・・・・・・・・・・・っ!!?』
 「異論はないようなので失礼するよ。ではまたの機会に」

 その言葉と共に、音も転移術式も無く、その場から消えて行く。

 「くそがっ!」

 終始舐められたまま終わった事に歯噛みするアザゼルの吐き捨てた言葉が、一同の代弁のように思える位に空しく響き渡った。


 −Interlude−


 ほぼ同時刻。

 一誠は士郎からの指示とドライグの助言の下、この辺りで生えているドラゴンの傷を癒す効果が有る薬草を取って来ていた。

 「士郎さん、これ位で良いですか?」
 「ああ、ありがとう。ドライグもありがとうな!これでなんとかタンニーン殿の応急処置の薬を練れそうだ」
 『この程度は構わんぞ?それにしても厄介だな、先程のお前が使った技は。強力な分、使用後のお前自身の魔術が事実上使えなくなるわけだからな』

 ドライグの指摘に苦笑する士郎。
 士郎はあの後、軽く説明した。
 本来であれば士郎の投影を使えばタンニーンの怪我を治癒する事も出来たのだが、あの技の使用後は宝具や剣の形をした礼装、それに名高い業物なども投影する事は可能であるが、自分の意思で投影物を選択不能なのだった。
 最短で元通りの投影が出来るまで1時間程度だが、これには自身の体内の剣の情報の集約場所である固有結界を正常にするためだけに自分自身に1時間ずっと埋没し続けなかればならない。
 そんな事をしなくても元通りに成るがその場合、3倍の時間――――つまり約3時間もの時が必要となるのだ。
 リスクはそれだけでは無いが、今はその事については割合させて頂く。

 「それと一誠、Boostはどれくらい溜まった?」
 「後もう少しで士郎さんの指示通り位に成るんですが・・・如何だ、ドライグ?」
 『士郎に言ったとおり、あと少しだな』

 士郎は一誠に薬草の採取を頼むと同時に、神器(セイクリッド・ギア)内のドライグにもBoostを掛け続けてもらっていた。
 タンニーンに薬草を塗り終えた後は、一誠の増加と譲渡の力を士郎自身に使い、仙術による肉体強化でタンニーンの巨体を持ち上げてグレモリー邸に運ぼうと言うのだった。

 『それにしてもトンデモナイ敵だったが、これではレーテ
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